小沢一郎前幹事長、第一声は管首相に皮肉たっぷり

(日刊ゲンダイ2010/6/25)

地元のオバちゃんが、「こんなところでやるんだ」というほどの山の中。民主党の小沢一郎前幹事長は、公示日を山梨県の甲府市から40キロほど離れた「ホタルの里」で迎えた。
40~50人の聴衆を前に、ビールケースに立って演説。山梨を選んだのは、輿石東参院議員会長が出馬する選挙区だからだ。小沢は輿石について、「大事な大事な役割を担っている輿石先生を参議院に送っていただけるようお願い申し上げます」と何度も繰り返した。
一方で、菅執行部が打ち出した「消費税増税」については厳しかった。
「3年前の参院選も去年の衆院選もですが、『すぐ増税はしない。無駄をなくすことで財源を捻出する。それでも財源が不足する時は消費税の論議をする』というのが我々の主張だったと思っております」
記者団の質問にこう答えた後、「では変わったという認識か?」と問われると、「私は、変わっていません」と声を張り上げたのだ。
その後、小沢は山梨県内にある故・金丸信元自民党副総裁の墓を参った。
これからの選挙期間中も、小沢は自らの戦術である「川上」を回るようだ。記者団には、「静かに行きたいと思っております」と、菅首相への皮肉を忘れなかった。