菅首相よ 増税より役人の給与カットが先だろう

(日刊ゲンダイ2010/6/24)
平均年収は会社員の1.4倍 リストラなしのノーリスクハイリターン
菅総理よ、やっぱり増税より公務員改革が先だろう。
公務員641万円、会社員466万円――。何かというと平均年収の比較である。これは、米フィデリティ投信が全国の公務員と会社員約1万1000人を対象に調査(2月実施)し、先日発表したものだ。
収入差はナント175万円。年収200万円以下の日本人が1000万人を超し、4・4人に1人がカツカツの生活に耐えているのに、この差はデカイ。年収の主たるレンジは公務員が500万~700万円で、会社員は300万~500万円。
やっぱり役人天国なのだが、この“格差”は退職後の生活にも影響を与えることになる。公務員も会社員も、退職後に必要な生活費は約3000万円(公的年金除く)で同じだが、収入が高い公務員は早くから退職後の準備を始めていて、平均して631万円の蓄えがある。会社員は3割ほど低い478万円だ。
収入の多寡は、老後の生活意識を変える。同調査によると、会社員が一番気にしているのは家賃など生活資金の不足だが、公務員の心配は、お金より家族や本人の「健康」なのだ。
経済評論家の山崎元氏がこう指摘する。
「長引く不況で、国民が収入減や失業、雇用難などのリスクにさらされている中、公務員法で守られている公務員は失業のリスクがない上に、給料がほとんど下がらなかった。公務員はノーリスク・ハイリターン、会社員はハイリスク・ノーリターンと言わざるを得ません」
民主党は、昨年のマニフェストで公務員の「総人件費2割カット」をうたっていた。財源が乏しい今こそ公務員の人件費の大幅削減を断行すべきだが、菅総理がやろうとしているのは、出世コースから外れた官僚救済策で、公務員改革は風前のともしびだ。それで消費税アップでは納得できない。