パーティー会場沸かせた久々の肉声と今後の活動 [小沢一郎は何を狙っているのか]

(日刊ゲンダイ2010/6/18)

作家・大下英治氏の見方
久々に小沢の肉声が伝わってきた。報道陣シャットアウトで開かれた自らの17日の政治資金パーティーで、けっこう多弁だったそうだ。
「マスコミもたたく人間がいなくなって、民主党の支持率が上がった」と会場の笑いを誘った小沢は、「静かにしていろと言われたから静かにしている」と近況報告。参院選については「一兵卒でがんばる。田舎の山や、さびれた港町でも静かに応援したい」と語ったという。
気になる今後の活動については、「政権与党だから責任を持ってやらないといけない。野党時代のように、党内政局をやっている場合ではない」と語ったのみで、会場の支持者が期待した“前向き”なセリフは出なかった。
「今後については、まだ白紙。参院選の結果、検察審査会の2回目の決定が出るまでは、動くに動けません」
こう語るのは、「小沢一郎の最終戦争」などの著作が多い作家の大下英治氏である。参院選で民主党が単独過半数に届かなかった場合。さらに来月下旬に予定される検察審の2回目の判断で“逆転無罪”となった場合。小沢が動くのはこのケースだという。「参院選で民主党が改選議席の54を割るようだと、菅首相は大変になってくる。過半数に届かず、どうするか。国民新党だけでは足りない。自民党を切り崩すのか、みんなの党と連立を組むのか。だれが動くのか。政権は揺れる。小沢さんはそのときが出番だと思っているし、菅首相がうまく事態を収められないようだと、9月の代表選に手を挙げるでしょう。そのときは、党内が戦争になる可能性があります。小沢さんは、ドロ舟の自民党から逃げ出す議員を国民新党にくっつけて、連立を組むことも考えている。いくつものシナリオを持っているはずです」
それまでは、でしゃばらず低姿勢で失脚のフリ……。それがイメージ重視の検察審をクリアする近道と考えているのだろう。