菅を支える3人のジミ参謀(日刊ゲンダイ2010/6/10)


最側近はいきなりつまずいた 仙谷の独走を止められるか

菅政権の人事は仙谷官房長官に任せっきりだった。少子化相がなかなか決まらず不満を投げかけた議員に対し、菅首相は「調整は仙谷さんがやっているから、仙谷さんに言ってよ」と答えたと報じられている。
そんな中、菅首相が強くこだわったのは、荒井聡国家戦略相(64)、岡本健司政務秘書官(39)、阿久津幸彦首相補佐官(53)の3人。裏を返せば、本気で菅を支えてくれるのはこの3人だけかもしれない。
“無名”の荒井の大抜擢には驚くしかないが、菅の最側近になったのはこんな経緯からだ。
「さきがけ時代、菅さんが厚相だった時に、荒井さんは厚生委の筆頭理事でした。薬害エイズ問題で、なかなか役所が資料を出さず苦労する菅さんに、元農水官僚の荒井さんが、官僚の操縦策を指南したのです」(民主党事情通)
以来、数少ない菅のアドバイス役だ。「荒井を幹事長に」という仰天プランまであったという。
民主党職員から政務秘書官になった岡本は、どんな人物なのか?
「一言でいえば『菅さんの付き人』ですね。民主党では政策調査会の若い職員を、役員室に呼んで幹部の随行役にしています。日程のハンドリングや選挙応援の窓口役など24時間フルサポートするのです。岡本さんは菅さんの随行役が長く、気配りができてかゆいところに手が届く。官僚出身者のようにでしゃばることはない」(民主党議員)
鳩山前首相は、官僚出身者を政務秘書官にして失敗した。党職員抜擢はその教訓か。
補佐官の阿久津は、菅グループの若頭。当選3回。菅と同じ東京選出だ。
「菅さんが96年に旧民主党を立ち上げた時の東京の事務局長が阿久津さんでした。以来、菅さんとは師弟関係。鳩山前首相にとって心のよりどころが中山補佐官だったように、菅さんにとっては阿久津さんがそういう存在になるのでしょう」(東京の政界関係者)
しかし……。腹心の荒井は、就任翌日に事務所費疑惑が持ち上がっている。菅首相を支えきれるのか?