解散して衆参同日選挙の見通しと可能性

(日刊ゲンダイ2010/6/3)
鳩山辞任がきのう(2日)になったのは、どうしても4日までに次を決めて、週末の世論調査に間に合わせるためだろう、という見方がある。
新首相がどれだけの支持率を出せるのか。それ次第では「ダブル選挙もありなのではないか」とささやかれている。
菅直人財務相の元政策秘書でジャーナリストの松田光世氏は「菅さんが首相になれば、間違いなくダブルになると思う」と断言する。理由は3つだ。
「これまで民主党は、民意を問わず、首相の首だけすげ替える自民党の政権タライ回しを厳しく批判してきました。だとしたら、トップが代わった以上、解散して民意を問うのがスジです。しかも、自民党は衆院選については何の準備もしていない。候補者も集まっていないし、金もない。衆院選の小選挙区と比例に重複立候補する場合、供託金だけで1000万円近くかかる。公認料は300小選挙区で30億円です。そんなカネはないから、派閥の領袖や大臣経験者が1億円ずつ銀行から借りるか、なんて話になっている。そのうえ、ダブル選挙になれば、与党は不利になりがちな参院選のデメリットが軽減される。参院でもそこそこ勝てる可能性が出てくるのです」
衆院の中間選挙のような参院選はどうしても、与党の中間評価のような位置付けになる。つまり、必ず、与党に厳しく出る。しかし、ダブルにすれば、中間評価の選挙から、政権選択の選挙になる。今度の場合は、政権交代の是非が争点になる。民主に勝機が見えてくるのだ。
ここまで腹をくくって、新首相が決断できれば、民主党が息を吹き返す可能性も出てくる。