■会議録 第174回国会 財務金融委員会 第4号(平成22年2月26日(金曜日)
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小林 興起
まず、金融。もう既に御承知のとおり、金融安定化法等でこれまでの金融政策を大きく修正しつつある、訂正しつつある、転換させつつあるというのは御承知だと思うのでありますが、今、業界から、また関係者から、大きな期待といいますか、要望を寄せられているのが、実は共済の分野であります。

 国民大衆にお金が非常によく行き渡り、有効に経済生活が成り立っていた日本独特の共済システムを、平成十八年に日本の政府は、保険業法というものを変えまして、その中に共済を無理やり押し込むという暴挙をあえてしていったと私は思うわけであります。

 その根底をなすのは、話題になりました郵政民営化法。これに反対しただけで私は自民党を追放されて、刺客という大変結構なものまで送っていただいたわけでありますが、なぜこんなことをしていかなければならなかったのか。これを小泉総理の特異な性格に、まあ、その部分もあると思うんですけれども、そういうことで片づけていたのではならないと思うわけでありまして、この要求の背景には、アメリカから日本に寄せられた年次改革要望書というものがある。したがって、この要望書の趣旨に沿うような郵政民営化でなければ、これを修正することは許されないという背景がきっとあったからこそ、わずか一法案の一項目について、外資に規制をかける、そういうことを一顧だにせず、強引に解散に持っていったということがうなずけるわけであります。

 しかし、きょうは、この郵政民営化を取り上げるのではなくて、共済の話であります。

 実は、共済もまたアメリカの年次改革要望書にしっかりと書かれて、共済のようなものは早くやめて、保険に一元化せよという要求が出ていたわけであります。

 当時、私も含めて、そんなにしょっちゅう金融を勉強しているわけではない我々にとっては、唐突にできてきた法案についてなかなか理解ができなかった。悪い問題を起こしている、例えばオレンジ共済なんてありましたが、いいかげんな共済を取り締まるために、まあ共済の取締法でもつくるんだろう、しかし、その取締法をつくらずに保険に無理やり押し込んでいるのかなと、その背景がわからなかったわけでありますが、やがてわかったわけであります。実は、何のことはない、年次改革要望書に、共済をやめろというアメリカからの要求がびしっと来ていたということが背景にあったわけであります。

 ところが、竹中金融大臣は、この年次改革要望書については私は見たこともないというような、テレビでも実に無責任なことを言っているわけでありますが、そんなばかなことはないわけでありまして、金融庁の担当者、きょうは大塚副大臣がお見えでございますが、そういう方々が、今なお竹中さんのように、年次改革要望書なんというものは見たことがないというような姿勢なのか、考え方なのかということについて、私はまずお聞きしたいと思います。

○大塚副大臣 おはようございます。

 小林委員におかれては、日ごろから政策会議等で御指導いただきまして、どうもありがとうございます。

 今、米国の年次改革要望書等を日ごろから見ているかという御質問でございます。野党時代、私どももその要望書に対しては大変関心を払っておりましたし、また今も行政の立場から、関連文書として目を通す立場にあるものと考えております。

○小林(興)委員 では、話が非常にスムーズに、早くなっていくと思うのであります。

 そういう中で、基本的に共済というものは、日本独特の文化といいますか伝統といいますか、歴史、そういうものから生まれてきた、いわば相互扶助、お互いに助け合うということを色濃く持ったシステムであります。保険というものは、御承知のとおり、これは一つの金融商品であります。ですから、ずっと金融庁が監督もしていたわけであります。それに比べて、この共済、特に自主共済のようなものは、金融庁の監督が特になかった。だからもちろん問題も起きることがあったわけでありますから、そこの部分を、取締法というような形で、共済について問題点を除去すれば、共済は共済として生き、保険は保険としてやっていけるというふうになったと思うんです。

 今、金融庁の基本的な考え方の中で、共済と保険というものは違うのか、似ているところももちろんあるわけですけれども、これはこれでやはり違うとお考えなのか、それとも全く同じだというふうに考えていらっしゃるのか、その基本をお聞きしたいと思います。

○大塚副大臣 基本は、異なる面があるものというふうに思っております。

 このお答えに関連しまして、前段のアメリカからの年次改革要望書との関連で、ここに至る経緯も少し御説明をさせていただきたいと思います。委員から御質問をいただきまして、私どもも改めて調べさせていただきました。

 そうしましたところ、平成十五年十月二十四日の日米規制改革及び競争政策イニシアチブに基づく日本政府への米国政府の年次改革要望書の中に、共済についても次のようなくだりがございます。「米国は日本に対し、共済と民間競合会社間の公正な競争確保のため、すべての共済事業者に民間と同一の法律、税金、セーフティネットのコスト負担、責任準備金条件、基準及び規制監視を適用することを提言する。」というふうに明記をされております。

 そして、それを受けまして、翌月の、小泉政権下における総合規制改革会議の資料の中に、米国のこの要望が明記をされ、そして、翌年、平成十六年十月の総務省の行政評価局、当時の総務大臣は麻生大臣でございましたが、共済について、「対処すべきと考えられる行政上の課題がみられた。」こういうふうに明記をされているわけであります。

 こういう流れを受けて、保険業法の改正の中で共済が取り扱われたわけでございますが、もっとも、同質的な会員を対象とする相互扶助の共済というのは保険とは異なる面があるというのは、この一連の対応の中でも一応意識はされて前政権のもとでも対応されていたというふうには理解しておりますが、そのこと自身が十分であったかどうかということが現在問題になっているものというふうに考えております。

・・・・

○小林(興)委員 ありがとうございます。

 とにかく、年次改革要望書を見ればわかるとおり、アメリカの要求によって、たくさんの、しかもいろいろな種類があった、日本の歴史、文化、伝統に基づいた、非常に便利で大衆的で、相互扶助の精神に満ちあふれたすばらしいものを無理やり保険の方へ保険の方へとやった結果、何ともならないというのがたくさんあろうかと思うわけであります。

 我々は、大きいものについては、そういう関係者が多いので、よくお願いというか陳情に来られたりしてお会いする機会があるわけですけれども、お話を伺いますと、自主共済でしたから非常にささやかな規模でやって非常によかったものが危機に瀕している。

 そういうものについては、逆に、ぜひ金融庁の方で十分に調査をするといいますか、関係者を幅広く呼んでさしあげて、そして自主共済が成り立つような、そういう、逆に優しさというか手だてといいますか、政府としての責任を果たしてくださることが非常に重要だというふうに私は思っておりますので、私が今申し上げなかった各論等についてぜひ御検討をいただきたいと思います。

 それから、いよいよ、多くありました無認可共済、根拠法のない共済の多くがこの少額短期保険という形に移行されてきたわけでありますけれども、ここに入ったところについては、最初はとにかく、今までの共済の権利といいますか、名前は少額短期保険になるけれども共済の利点というのは生かしてあげるし、それから、経営が今まで成り立ってきたわけでありますから、それが成り立たなくするような、そういうひどいことはしないということで話を聞いていたわけであります。

 しかし、実際に法案が施行された後、先ほど申し上げましたとおり、当時私は不幸なことにこの国会にいなかったわけでありますから、そのどさくさに紛れてどんどんと少額短期保険の内容が固められていったようでありまして、その結果、現時点で見ますと、こういう少額短期保険に加入していらっしゃる、これをやっていらっしゃる方で協会がつくられているんですけれども、その協会の皆さんからお話を聞きますと、やはりとても今のままでは経営が成り立たなくなってきている。

 それが、一つは、少額という名のもとに、今まで死亡保険であったら、好きに、自主共済ですから、やっていたんですけれども、それをわずか三百万に制限されちゃう。今どき三百万もらっても、もらわないよりはうれしいんですけれども、わざわざそのためにお金を掛けるかというと、非常に掛ける人が減ってきている。その上に、三百万を掛ける場合には、ふだんの掛金が低いわけですから全然利益にならないというようなことも聞いておりますし、それから、病気になった、医療関係ですね、医療、療養、これはたった八十万というんですね。これもまあまあ低くて、とても話にならない。あるいは人数、一つの保険で何人まとめて契約できるかというのも百人以下に抑えられちゃった。これも本当に小規模に強制的にさせられて、何ともやっていけない。

 せめて三百万をあるいは八十万を一千万にするとか、経営がまじめにやったら成り立つような、そういう見直しをぜひしてほしいという強い要望が協会全体から上がってきているわけですけれども、こういうことについて今考慮をされているのかどうか、確認させていただきたいと思います。

○大塚副大臣 御指摘の少額短期保険業者の皆さんですが、大変経営しにくいというお声があることは十分承っております。

 ちなみに、少額短期保険業者の平成二十年度の決算ですが、多くの事業者が開始間もないこともあって、六十二社中四十六社が赤字である。その原因については、上限額に制約があるからだという意見等々があることも承知をしております。

 もっとも、ぜひ改めてこの問題のルーツを御理解いただきたいんですが、確かにこのルーツから今日に至る過程で、冒頭御指摘のあった米国の年次改革要望書等の影響があったのではないか等の指摘があります。

 ただ、もともとのルーツは、平成八年のオレンジ共済事件、そして平成十二年のKSD事件等、さまざまな自主共済が詐欺的事件を起こしたことに端を発しまして、米国の年次改革要望書が出る前から新聞等では随分、この共済を取り締まるべきだという論説が出たりいたしまして、平成十五年当時から無認可共済に対する衆参での、国会での議論が始まり、そして今日に至っていることを考えますと、片方で、今先生が御指摘になった少額短期保険業者の業務の制約を合理的な範囲で緩和をするということに配慮する一方、このルーツになったような同様の事案が生じまして消費者の被害が生じるようなことのない工夫も引き続きしなければならないという、両にらみのポジションが必要だということはぜひ御理解を賜りたいと思います。

○小林(興)委員 今、大塚副大臣が言われたことはごもっともな点であります。しかし、気をつけなければならないと思うのは、必ずごもっともな理由がなければ、こうしようああしよう、こうした方がいい、そういう部分も出てこない。私は、アメリカの対日戦略が非常に巧妙である、特に金融資本主義を持ってくるのに巧妙であるのは、必ず大義名分があると。

 今の場合も、共済について、日本としても、ひどい共済があるから見直さなければいけないなという気持ちがあるわけですね。郵政についても、もっと便利にした方が、民間でやったらもっと便利になるんじゃないかという気持ちがある。そういうのをきちっととらえて、しかし違う観点から入ってくる。それがおいしい共済のお金を保険の方で奪っていこうということであり、郵貯、簡保の金をアメリカの金融資本に巻き上げていこうと。

 そういうものを、こちらの大義名分で、うっかりしていると、ごもっともだごもっともだと聞いているうちに、ふと気がつくと相手のわなに陥るというんです。さすがに大国アメリカは戦略が非常にすぐれているんですね。日本は、そこの部分だけ、木を見て森を見ないというんですかね、ごもっともだごもっともだといって小さな正義感でやっているうちに、気がついてみると全部失う。

 そういうことをずっと、年次改革要望書を見ますと必ず、日本の皆さんはこれをやった方がいい、これをやった方がいいと、ちゃんと大義名分を掲げて、アメリカがもうかるからやろうなんて書いていないんですね。日本の皆さんが幸せになるからいかがですかと優しく猫なで声で迫ってくるわけですよ。

 そういうところを見て、政府としては、日本の問題もあるけれども、しかし相手の真の意図も見抜いて、そしてきちっとこの国の国民の皆さんの富を守る、経済を守る、生活を守るということに、いま一度しっかりと、相手のすばらしい戦略に対抗する日本の戦略も考えていかなければならない。






■会議録 第164回国会 外務委員会 第2号(平成18年2月24日(金曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000516420060224002.htm?OpenDocument

武正 公一(たけまさこういち)衆議院議員/民主党/埼玉1区

外務大臣は年次改革要望書をどう評価されておられるでしょうか。これは、九三年七月に宮沢・クリントン会談で合意をして、九四年から、年次はつきませんが、改革要望書ということで両国が交わしてきたもの。

 有名なところでは、郵政民営化については九六年十一月十五日付、要望が出た。昨年、法案を一年延期をいたしましたいわゆる三角合併解禁については、二〇〇二年十月二十三日付の要望であった。しかも、年次改革要望書には「二〇〇四年度までに国会に提出すること」と。こういったところまでなぜアメリカに言われなければならないのかということなんですね。

 これまで、企業会計、CEO、社外取締役、法科大学院などなど含めて、たくさん日本が今取り入れているグローバルスタンダードと呼ばれるようなことが、すべてこの年次改革要望書に盛られているわけなんですが、年次改革要望書を毎年交わし、そして、それである面、この五年間、構造改革も進んでいるということについて、どのように評価をされますでしょうか。

○麻生国務大臣 最初に中連部の話をさせていただいて、今の年次改革要望書の方については塩崎副大臣の方から答弁させていただきます。

 今、中連部の話が出ておりましたけれども、武正先生、単純計算して、日本の国防予算は四兆八千億。四兆八千億が、ダブルディジットというんだから、仮に一〇%として、二けたというのは最低の一〇%として、十七年いったら二十三兆円ですよ。これだけ二十三兆円のものになっちゃったら、それは隣にいる人は、えっということになるのが普通なんだと私は思うんです。普通じゃない人の方が普通じゃないんじゃないかなと思うぐらい。だって、二十兆を超すんですよ、二十三兆円ぐらいなんですから。

 そうすると、うちは全部中はこれですよと出してあるから、これが人件費、これが戦車、これが何とかでと全部出してあってやるのと、全くそこのところがよくわからぬというのでは、隣の人に対する不安感を与えるというのはいかがなものかというところがこの間申し上げたところなのであって、今言ったような形で、中連部にその点は問題だということを言っていただいたというのは、私どもとしても大変ありがたく、感謝を申し上げます。

○塩崎副大臣 武正議員の今のいわゆる年次改革要望書と言われているものについての御質問にお答えいたしたいと思います。

 そもそもマスコミ等々で取り上げられ方が、どうも片一方からだけの、アメリカからだけの要求というふうにとられているわけでございますけれども、これは、もともとキャンプ・デービッドで二〇〇一年にブッシュ・小泉会談の中で、成長のための日米経済パートナーシップというものの中の一つのフォーラムということでスタートをしているわけですね。

 御案内のように、これは双方向で要望をお互いに議論して、言い合っているということでありまして、決してアメリカから言われたことを唯々諾々とのんでいるというようなことではないわけでありまして、今取り上げられたテーマについて、私も自民党の中で小委員長などで扱ってきたものもたくさんございますけれども、一方で、日本からアメリカに対して要望をして、それが実現しているものもかなりございます。

 例えば、この二月にバード修正条項というのが廃止をされました。これはダンピング防止税等の収入を米国内業者に分配するというもので、かねてから、これをやめろやめろ、こういうふうに言ってきたわけでありますけれども、これがWTO協定違反じゃないかということで、向こうの方も認めて、廃止をいたしました。

 それから、一九一六年ダンピング防止法についても、二〇〇四年の十二月に廃止されたりしておりますし、また米国の入国管理の厳格化等々についても、こちらからの要望が向こうに受け入れられたということだと思います。

 したがって、我々は向こうから言われたからやる、あるいは向こうもこっちから言われたからやるということじゃなくて、お互いに議論の中で、いいものをやはりやっていった方が、自分のためになるものはやっていく、そういう判断をしてやってきていることだろうと思いますし、多くのものは法律として出てくるわけでありまして、これは国会で与野党を問わず一緒に議論してやってきていることでありますから、決して言われたままのものをやってきているというふうなことではないんじゃないかと私は思っております。

○武正委員 日本への年次改革要望書は五十ページ以上あるということなんですが、日本からの年次改革要望書というのは何ページぐらいなんですか。そう言われて、いっぱい要望しているというお話ですよね。どうも余りそういう話が聞こえないので、今幾つか挙げられていますが、大変米国から日本への要望というのは大部に映るんですけれども、これは何ページぐらいあるんですか。

○塩崎副大臣 日本国政府の要望事項というのが手元にありますけれども、五十一ページにわたってございます。

○武正委員 ちょっとまたその中身を精査させていただきたいと思います。

 よく日本の改革が外圧を利用してやるというようなことが言われるわけでありまして、この五年間の小泉内閣の外交の一つの評価、総括として、この年次改革要望書は、先ほど言ったように、九四年から始まっているわけでありますし、あるいは、やはり八五年のプラザ合意から二十年間、日本の内需拡大も含めた、そうした要求も含めて、やはり私は検証、総括というものが今必要なのではないかなというふうに思っております。

 もちろんこれは、米国債を日本が大量に保有をしていることによって米国内の長期金利が引き上がるのを抑えている、こういった指摘もあるわけですので、総合的にこの対米関係というものを、日米安全保障条約が基軸ではありますが、やはり小泉外交の総括として、その構造改革の総括も含めて見ていかなければならないというふうに私は思っています。

 そこで、日米関係にとって今大変懸案事項ということで、2プラス2合意ということで、中間報告、三月末には最終報告ということで、既に日米の審議官級協議も今月あったやに伺っております。報道では、特にグアムへの米海兵隊の移転費用七十六億ドル、うち四十七億ドル、六割は住宅関連、七千人プラス九千人の家族の移転ということで、こうした額も提示があったという報道もあるわけですが、実際のところ、この米軍再編の協議、日米審議官級協議の内容、これも含めて、どのようになっているのか、お答えいただけますでしょうか。

○塩崎副大臣 今、武正議員御指摘のとおり、審議官級の協議は繰り返しやっておりますし、御案内のように、三月末までにまとめなければいけないということにデッドラインも決まっているわけであります。したがって、精力的にお互いに意見交換をしながらこの内容を今詰めているところでありますけれども、具体的な細かなことはまだ詳細に明らかにするわけにはいかないということで、差し控えさせていただきたいと思います。



会議録 第165回国会 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 第5号(平成18年12月1日(金曜日))
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細川 律夫衆議院議員(7期)埼玉県第3区 民主党(菅グループ) 厚生労働副大臣

○細川委員 私の質問に端的にお答えになっていないような気がいたしますけれども。

 次に、では本当に外国の勢力によって影響を受ける可能性がないかという点についてちょっと考えてみたいと思います。

 よく話題になりますけれども、アメリカ政府は、毎年、日本政府に対して規制改革要望書というものを出しております。これから紹介いたしますのは、前回の選挙で郵政改革に反対をして自民党の公認がもらえず、落選をいたしました小泉龍司議員が郵政特で質問をした、その一部でございます。質問をそのままちょっと御紹介いたします。

  もう一つ、アメリカの圧力ということもしばしば取りざたをされます。

  日米の間に年次改革要望書というものがございまして、毎年秋にアメリカから日本国政府にこれが渡されます。九百人の中央省庁の課長さんにこれが切り分けられまして、一年後のフォローアップに向けてちょっとずつ譲っていく。だるまさんが転んだみたいな形でちょっとずつ譲っていく、数多く。気がつくと、この年次改革要望書の項目はほとんど実現されているわけでございます。

  日本の近未来を見るには、将来投資のために株を買うならこの年次改革要望書を見ろというふうに言われているぐらい、きちっとこれが反映されている。ここに、保険アジェンダから始まって、今は郵政民営化がきめ細かく、内政干渉と思われるぐらいきめ細かく、米国の要望として書かれているわけでございます。

  こういうアメリカの圧力、そして十年後に責任を持てるのか、アメリカで起こった事実、最後に、官から民へ。

こういうような質問を小泉龍司議員はされております。

 こういうふうに、自民党の議員で、しかも財務省出身の議員から見ても、この要望書の中には内政干渉や圧力が感じられると言っております。

 私の手元にも二〇〇一年の十月に出された要望がございますけれども、これなども、私は法曹の経験もありますので、例えば法制度改革などについては、司法制度改革審議会による意見書の実施というのに始まって、法曹人口の拡大、民事訴訟の迅速化というような項目があって、そのかなりの部分がそのとおり実現をされております。

 圧力があったかどうかということは、これは検証は非常に難しいと思いますけれども、小泉改革と言われるもののかなりの部分がこの要望の実現だという指摘もございます。この要望書は、確かに政府間で確認をされた文書でありますので、一般に言う圧力とは異なるかもしれませんけれども、私は、こうした要望のあり方に大いに疑問を持っているところでございます。

 仮に、こういう圧力が、政府間でなくて、それぞれの企業を経由して寄附をもらっている個々の議員に及ぶんではないか、こういうことも考えられるわけでございます。主権の侵害のおそれがないとは言い切れない。こういうような点についてどのように提案者はお考えになっているか、お伺いしたいと思います。

○近江屋議員 本改正案の問題提起につきましては、国内のさまざまな意見を踏まえながら、我が自由民主党の問題意識、問題提起として本改正案を作成いたしております。

 また、我が国の政治や選挙が外国の勢力によって影響を受けることを未然に防止するという現行法の趣旨に反することのないように、日本法人である上場会社からの寄附に限って現行の制限を緩和することにいたしております。それは、先ほど申し上げましたように、上場会社については市場による監視が徹底しているということによりまして、日本法人である上場会社から政治活動の寄附を受領しても、我が国の政治や選挙が外国の勢力から影響を受けて国益を損ねることはないものと判断したためであります。

 先ほど細川委員から御指摘がありましたアメリカの要望、その要望のあり方に疑問があるという点は承りましたが、その要望のあり方云々は別といたしまして、今回のこの改正案につきましては、外国の圧力みたいなもので問題提起、また策定をされたものではないということは申し上げておきたいと存じます。

 以上です。

○細川委員 いや、私が質問したのは、アメリカの圧力によってこういう改正がなされたのか、あったんではないか、こういう質問ではないんです。

 アメリカから年次改革要望書が出て、それで日本ではそのとおり実施していっているじゃないか、そういうのを実現していっているじゃないかと。それが、これは政府間ですけれども、今度は民間企業を通してそういうことがなされるんではないかという心配があるので、その点についてはどう考えておるのか、こうお聞きをしたわけでございます。