学参とは学習参考書の略です。
学校の授業の補足用であり、試験勉強の対策のためにあります。
私が明日香出版社に入社したころは英語の本は学参にしかありませんでした。
語学書は学参出身のビジネス書!
そうなの?と思う人もあると思います。
ビジネス書についても別途説明します。
平成に入って「国際化だ、グローバル化だ」という言葉が流行り、
先進国でも英会話苦手の多い日本人に対し、
何とかしようよという動きになります。
そのころあたりから「大人のための英語本」が次々に発行されるようになりました。
「中学英語の知識があればほとんどの英語は可能です」と。
読者対象はビジネスマンが多くを占めました。
長沢寿夫先生の『中学3年分の英語を3週間でマスターできる本』は
43万部発行の大ヒットとなりました。明日香出版社でダントツ1位の売上です。
こういう本が増えていき、書店も陳列場所を考えるようになりました。
ズバリ、ビジネス書の近くです。
【ビジネス書と合同フェア中の語学書】 <オリオン書房イオンむさし村山店>
書店を見に行ってくださればお分かりと思いますが、
ビジネス書の近くに語学書があるお店が多いです。
今や、英会話も英文法も大人向けは語学書の扱いとなり、
学参とは違う需要が生まれています。
書店では内容属性でなく、客層によって商品の陳列を変えています。
映画の原著などは洋書コーナー。
英検は学生さんが多いので学参コーナーに。
TOEIC書は就活対策でビジネス書コーナーへ。
諸外国語は旅行もありますが、海外赴任むけ語学書コーナーに。
ビジネス英語は国際ビジネスでビジネス書コーナーにもあります。
児童英語は買うのが親御さんなので語学書にあり。
とはいえ、いまだに他国に比べて英語が話せない人口が多い現状です。
買う人は多いですが、使えていない人が多い気がします。
中学校から大学まで約10年。
これだけ長く学んでいて話せない人、多すぎないですか?
語学書製作。もっともっと出版社も考えなければなりません。