絵本と児童書は微妙に違います。
絵本は絵がメインの本。児童書は子供向きに書かれた本です。
しかし幅広い読者の年齢層を持ちます。
この本をどう思いますか?
絵本×人種差別問題
『ちびくろさんぼ』
1953年に岩波書店から発売され、各社からも発行されましたが、
その後黒人差別問題が世界中で激化、全図書が絶版となりました。
主人公が黒人の子だというだけで。
しかし国内からも期待する声も多く、2005年に復刊を果たします。
内容はシンプルながら復刊を求めるファンは多かったそうです。
大人と子供の感じ方が違う
『しょうぼうじどうしゃ じぷた』
小さくて役に立ちそうもないじぷたが山火事時に狭い山道を走れない大型消防車を差し置いて火を消して町のヒーローになるという話です。
子どもは、「じぷた、かっこいい!」となりました。
大人は、「私にはもっと相応しい生き方があるかも」と思うようです。
癒されたい
『かばんうりのガラゴ』『バムとケロのそらのたび』(島田ゆか作)
女性に大人気の島田ゆかさんのシリーズです。
ぬいぐるみもヒットしています。
1日の仕事が終わり、うちに帰って彼らの姿を見るととホッとするそうです。
まだまだあります。
ムーミンは自由に生きることと他人に干渉されない、しない生き方を学べます。
変わり種としては京極夏彦さんも宮部みゆきさんも絵本を出されています。
絵本はビジネス書のような暑苦しさがなく、さりげない示唆をくれます。
それが何とも心地よいのです。
他のジャンルの本と並んでフェアをされることは稀ですが、
子供から大人まで幅広い読者に人気があります。
数年前、有隣堂恵比寿店の店頭で絵本フェアが開催されました。
1960年代から10年単位に発売順に大規模な絵本フェアが展開され、
「あなたが生まれてはじめて出会った本は、ありますか?」
というキャッチコピーがありました。
なるほどなぁと思いました。
総理大臣も研究者も大企業の社長もみんな、
「最初の1冊は絵本だったでしょう?」というわけですね。
絵本は読書の第1歩です。