以前に書店で使うPOPについてご説明したと思います。
しかし販促品も日々進化しています。
今回は実物見本についてのお話です。
「POPのような小さなプレートでは説明しきれないのでは」
そうですね。書籍自体がPOPにならないか。
あるのです。
語学書のコーナーに行かれる方はご存知かと思います。
「見本」と書かれた本が平積み本の上に積んであるのを。
手に取るとページにはタックがついていて中味に書き込みがあります。
これは、本書の見どころを目立たせ、学び方を解説しています。
いわゆる、語学書の”トリセツ”みたいです。
語学書以外でもできるんじゃないか?
ええ、ビジネス書にもあります!
本書は『すぐやる人のノート術』(明日香出版社刊)です。
考えたことをすぐに行動に移せるようにするためのマニュアル本です。
実物見本の中味はあえてエキス部分を紹介します。
下記は「タスコンノート」の解説部分です。
タスクをコンプリートするためのテクニックです。
ここで著者には不安が生じます。
「立ち読みでいいとこだけ読まれ、売れなくなるんじゃないか?」
それは違うのです。
逆です。売れます。
お客さんは、自分にとって果たして役に立つ本なのか、
必死で中身を探っています。
昼休みや通勤の合間の限られた時間で探しているのです。
それをサポートするのが実物見本です。
だから惜しげもなく、核心部分を披露します。
1冊を犠牲にしてまでお奨めします。
お客さんにとっても効率よく選書できます。
実物見本は著者にお奨めページを選んでもらって、
コメントも書いていただきます。
営業部ではこれを基につくり、量産して各書店へ持参します。
手間暇かけてお奨めしたいほどの良書だよ、と言っています。
著者と出版社、書店とのコラボの販促品です。
料理本などの実用書でも見かけます。
コミックにおいては1章分だけをコピーして吊り下げてあります。
書店に行ったら是非探してみてください。
色々な仕掛けが見つかりますよ。
逆に推理小説にはありません。あたりまえか(笑)
立ち読みする方はあくまでも立ち読みされます。
強者ともなると数日かけて完読される方もいます。