若い頃、小椋佳さんのような生き方をしたいと思っていた。
ミュージシャンになりたかった訳ではない。
銀行で頭取まで勤め、そして音楽家としても大成する。
社会人としても一流、芸術家としても一流。
芸術に突出していて、社会的には破たん寸前くらいの天才とはまた違う。
当たり前だが、そんな人間になれるはずがない
まず、芸術家としての私。
特に絵がうまいとか、歌がうまいとか、そういったこともない私だ。
迂闊にも程があるが、私は、具体的に何かを目指していなかった。具体的な才能へのカンチガイすらなかったのだ。
そして、社会人としての私。
大学も3流どころの私立を出、頭取どころか、係長で大挫折である
全く、お話にならない。
まあ、そういうこともあるわな。
杉浦日向子さんの隠居という考え方にも、憧れた。
30そこそこで引退し、後は悠々自適に暮らす。。。みたいな。
思うに、印象とか軽い気持ちで憧れるのは、まあ凡人の特権なのだろう。
浅はかな思慮で、人を羨んだり、妬んだりするのもおんなじ。
今の目標としては、50まで働く。
早期退職する。
そう考えた時に、一番の問題は金だと思う。
たとえば、年間500万の年収があったとして、それが10年分懐に入ってこないのだ。
どう考えても、やりくりできない。
家のローンもガッツリあるし、医療費もバカにできない。
もはや、宝くじに当たるくらいしか、解決策は見つからない。
しかし、買っていないので宝くじが当たるはずもない。
買うのがどうにも無駄使いのように思えてならないのだ。
ダメだな。こりゃ。
まあ、じつに凡人の考えそうなことだ。
己の生きざまを考えるに。
面白いくらいだ。
職場の同僚が早期退職。
理由は、介護だった。
何とも、言えず。
ただ、憧れはしなかった。
その後、1年もしないうちに被介護者が亡くなり、介護という理由を失った彼女は、介護福祉士の資格をとったという。
感嘆した。