5年生を受け持った頃の

学級通信「いちまいの絵」5月11日発行No8

母の日の前日に書いたものです。

両親を亡くし、祖父母に育てられている子がいました。

 

実は、教師になったのは、1月から、1年生の担任であった。

途中採用でした。4月になり、そのクラスを引き継ぎ2年生へ。

5月の母の日を前に、「明日は、何の日か知っている???」、

口々に・・【母の日】と叫んだ子ども達。

「そうねえ、お母さんにお手紙書こうか・・・」

その時、ひとりの、男の子が

大きな声でわーんと泣いて、廊下へ飛び出したのです。

その子を追いかける私の後ろから、

(あの子ね、お母さんいないの・・・)

えっ???、思わず叫んだ、私。

教師なって、まだ、4か月。一人一人を把握していない私でした。

1年生になって母親を亡くした生徒だったのです。

 

以来、母の日、父の日・・・・に神経をつかった。

家庭やその子の現状や性格をしっかり把握して、向き合った。

否が応でも流れる放送や商戦にも心配りながら。

 

それから、19年後の学級通信(一枚の絵)に、このような文章をのせた。

両親のいない子が一人いたのです。でも、祖父母に愛情豊かに育てられていた。

このクラスでは、生徒が自ら、自分たちの通信を出していた。

母の日特集を出すことになっていたのだ。

係りの子は、その子に両親がいないことを知っていた。それでも出すという。

私は、その子と向き合った。そして、祖父母を訪ねた・・・

結果、出してもいいということであった・・・

その後、むしろ、卒業まで、その子たちは、学級を高めていったのです。

思いやりのある学級へと。

又、その子も、両親のいないことへの寂しを乗り越えてくれたような・・・

(言い過ぎかもしれません…笑顔の裏に寂しさや葛藤など・・色々あったことでしょう)

そんなことを思いだしながら、学級通信の整理をしています。

そんな私に、今年も、素敵なプレゼントが届きました。有難う・・・・ね。