少年キネマ ~奥田徹の青い世界~
青
どこまでも続く青
ヤケドしそうな青さ
なんだろうか・・・この感覚・・・
奥田徹の作品に触れるたびに
いつも心を大きく揺さぶられてしまう。
失くしてしまったモノ
二度と手に入れられないモノ
彼の作品に拡がる青空が
よけいに胸をヒリヒリとさせてゆく。
いったいなんなんだろうか・・・
『ベリースタートっ!』
http://www.geocities.jp/shonenkinema/index1.html
僕はこの作品を観るのは、決まっていつも深夜の時間帯である。
深夜に体験する奥田ワールドは特別だ。
蓄積された自分の中にあるモヤモヤっとしたモノが
まるで儀式により浄化されていくみたいにスペシャルであるのだ。
そいで、いつも調子に乗って、ついつい特典映像である
「暁のジェット噴射。」まで観てしまい、気が付けば朝方になってしまうのだ。
だけどもその朝はいつもの朝と何だか違ってたりする。
・・・そんな感じが好きなのだ。
ちば映画祭に、作品提供いただいた「青春ハンド」
http://www.geocities.jp/shonenkinema/seisyunhando1.html
奥田ワールド全開の、ある意味、奥田徹のエポックメーキングな作品だと思う。
この短編は、その後、青森での映画祭にて賞をもらっていたりもする。
観終わった後に、何故か口元がゆるんでしまう。
色んな意味において自分にとっても大切な作品である。
『スペアキーな冒険』
http://shonenkinema.com/spare-key-main.html
この最新作では、その独自の青臭い不器用なまでの世界観を
演出により見事に昇華させており、
確実に次のステージに進んでいる。
実は、この「スペアキーな冒険」音楽なしの不完全版でしか
観ていないのだが、完全版を観るのが、自分にとっては、
まるで心の中まで見透かされている様な気がして怖いのだ。
何だかものすごく怖いのだ。
作品全体から放たれているキラキラとしたモノ
手に触れようとするが絶対に絶対に触れられないモノ
何度も何度も手直しされた脚本。
その段階からこの作品は自分の心を震わせていた。
活字の中で、すでにキラキラとした得体の知れない何かが
うごめいていた。
その時には感じなかった怖さを今僕は感じている。
5月16日(日)の渋谷シアターTSUTAYAシアター2での上映会。
http://shonenkinema.com/spare-key-information.html
果たして、スクリーンから何が出てくるのだろうか。