PLATONIC SUICIDE その2
去勢都市
行方不明となった飼いネコを探す主人公が、
社会から迷子になってゆく様を描こうとした『去勢都市』なる作品。
カメラを、国内でフィルムの現像が出来ないスーパーエイトから、
近所の古道具屋で、見つけたシングルエイトに切り替える。
シングルエイト(8mmフイルム)と、ビデオカメラによる
編集も何も考えていない撮影スタイルを、友人3人、4人で始める。
もちろん未完である。
しかし、今回は、フィルムはちゃんと現像され、
編集された一部分を垣間見る事ができる。
撮影用に、ペットショップで、砂ネズミを2匹買うが、
1匹が、もう1匹に、すぐに噛み殺されてしまうというハプニングに見舞われる。
殺された砂ネズミを花と一緒に箱に入れて、
近くの川へと水葬に行ったそうだが、
川の近くに住む住人に
「ゴミを捨てるんじゃない」と怒鳴られたらしい。
残された、もう1匹の砂ネズミは、撮影が終わった後も、
彼の元で飼われる事になる。
動物嫌いな男だが、愛着が湧いたのか、ネズミの具合が悪くなった時に、
近所の動物病院へ、仕事を早退してまで駆け込む姿が確認されている。
もっとも、病院側からは、
「ネズミは診れない」「手の施し様がない」との回答であったらしい。
この砂ネズミは、死後、花を詰めた箱に入れられ、海へと流された。