絶対的不利な状況を覆す凄腕の弁護士、ウィルフリッド卿のもとに、大富豪の未亡人殺害の容疑がかけられているレナードという男が尋ねてくる。彼のアリバイを証言できるのは、ドイツ人の妻、クリスチーネだけだが、愛妻の証言は証拠としては認められない。しかし彼女は、検察側の証人として裁判に出廷する。驚くべきクリスチーネの証言とは……。
「情婦」という邦題とあのパッケージ写真で敬遠している人もかなりいそうで勿体無い。この映画は純然な「法廷」モノです。
ビリー・ワイルダーは外れのない監督だと思う。映画の文法を熟知していて、観客をくすっと笑わせるさじ加減や、愛すべきキャラクター(子どものようなウィルフリッドや、世話焼きの看護師、そしてクリスチーネ)の作り方が絶妙だ。
「結末を人に教えないで下さい」と観客に呼びかけた映画は、もしかしたらこの映画が最初だったのではなかろうか。
ラスト数分の、これ程のどんでん返しは、映画史上なかなかないだろう。見事に騙されたらとても気持ちがよいだろうし、いくつかオチが読めてしまっても、それはそれで楽しめるはず。
ウィルフリッド卿役のチャールズ・ロートンも良いけれども、クリスチーナ役マレーネ・ディートリッヒの迫力ある演技が素晴らしい。
- 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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