備忘録
昨日のあの時、ほんとは絶対手放したくないロビンをほんとは絶対見送りたくなんかないあの向こう側へ少しのお花とごはんとおもちゃと一緒に質素な台で無機質に運ばれていくのを私はただ見てるしかなかった。わが家のアイドル、ロビンは最後まで、毛並みがとても良くて、尻尾はふさふさ、目は綺麗なエメラルドグリーン。カッコよくて、可愛かった。収骨というものを初めて経験した。扉が開いたとき、目に飛び込んできたのは真っ白という色、私は理解が追いつかないものにグッと気圧されてでもこれはロビンなんだ、とここで目をつむってはいけない気がしてあえてしっかり見ようとした。そんな私の意志を優しくリードしてくれたのは、葬儀の担当をしてくださったスタッフのおじさんで穏やかな声と優しい手つきで、ロビンの骨の説明を丁寧にしてくれた。受け入れられなかったものがひとつひとつ、少しずつ、体内に馴染んできて(いやまぁ、馴染まざるを得ないものが目の前にあった、とも言えるのだけど)最終的に、ロビンは骨まで可愛くて愛おしいのだな、という気づきに至った。2月はずっと忙しくて、3月になったら時間ができるからロビンとのんびりダラダラするぞ、って考えていたことをふと思い出して昨日の帰り道、心が崩れ落ちるようだった。私の呑気な幸せはロビンに守られていた。“いるけどいない”が“いないけどいる” になるのはいつなんだろう。ロビンがいなくて、つまんないなぁ。さみしいなぁ。さみしいなぁ。