終わりました。
こゆび侍『さよならはここにいる』
無事、全日程終演致しました。
私はこゆび侍の作風がとても好きで
普遍的なテーマや、自分にも身に覚えのある負の感情を
詩的に、ファンタジーと一緒に、綺麗に描いていて
人の弱いところとかどろどろしたものを浄化してくれるような、そんな作品が多い気がします。
今回「さよなら」がなかなかできない主人公一子の話だったけど
状況はまったく違えど
私も「さよなら」が本当に苦手だから、共感するところがとても多かった。
悲しいこととか後ろ向きなことを
綺麗に描いてくれるこゆび侍だけど
でもそこに残酷な現実があるってことからも目をそらさないところが好きです。
今回は
「さよなら」をするために30歳の一子が1度地の底まで泣き崩れなくちゃいけなくて。
結局「さよなら」と1度きちんと向き合わなくちゃいけないっていう現実は変わらなくて。
向き合うまで時間がかかったとしても
それでも向き合わないと結局は先に進めない。
だから、私にとっては
ある意味悲しい話だった。
どうしたって、「さよならはここにいる」。
「さよなら」を忘れさせてはくれない。
私たちは「さよなら」と隣り合わせに生きていて
逃れることはできなくて。
どうしようもなく苦しいときは
絶対に避けられないんだよね。
だけど
そんな苦しさと向き合って初めて踏み出せる一歩は、ちゃんと向き合えた人だけに分かるもので。
そのときの「さよなら」と、笑顔は、その人だけのもので。
私たちはそうやってずっと生きてるから
とても強いなぁと感じたりしました。
久しぶりに大好きなこゆび侍。
そして成島さんとお仕事できて
本当に幸せでした。
全てのお客様と、
お世話になった関係者のみなさまに、
心からの感謝と愛を。
「さよなら」は
未来に生きるためのもの。
絶望の先にある希望を胸に
私もこの作品と「さよなら」します。