バンドの練習で友達の家に集まった時の夜だったと思う
 
電話で呼ばれた時、部屋でおかしな事が起きていると友人が話していたのを覚えている
 
十数分程、車を走らせて友人宅へ
 
友人二人が話す事には、俺が来る間にも色々あったという
 
廊下の奥
 
遊びに来ていた友人Bがトイレを借りようと廊下へ出た時
 
現在は使われていない妹さんの部屋のドアがなぜか半分開いており、中の暗がりから何人もの視線を感じたらしい
 
友人Aの部屋
 
部屋の時計の針が目を離すと勝手にずれている
 
何度も
 
その頃、時間は9時前だったと思うが、俺が見たその時計の秒針は1時を過ぎていた
 
部屋の棚
 
家主の友人Aが高校時代に撮った集合写真がある
 
写真立てに入れられ飾られているのだが、それがぱたぱたと何度も倒れ、終いには倒れないよう、伏せて置いたという
 
側の壁には何枚かのアーティストのポスターが貼ってあるのだが、その目から視線を異様に感じる
 
取り囲まれてずっと睨まれているようで落ち着かない
 
ポスターの目が動く感じもして大きなものはその場で剥がした
 
家の中を何かが動き回る音がする
 
友人は猫を飼っているが、夜は別宅の両親の部屋に居るらしく、猫ではないという
 
家にお邪魔してからずっと聞こえていたのだが、確かに人が動く物音のようだった
 
その時、母屋には友人達と俺含め三人しかいない
 
友人Aが言う
 
この前、自動車整備の仕事をしていた高校の同級生が整備車の下敷きになって死んだんだよね
 
そいつ、きてるのかな…
 
そんな状況で曲の練習に身が入る訳もなく、楽器を置いてぽつぽつと話していた
 
ずっと押し入れが気になっていた
 
何かそこから圧迫される感じがする
 
友人Bも気になると言う
 
開けても毛布などが収納されている何の変哲もない押し入れ
 
ずっとソファでくつろいでいたのだが、重く垂れ込める感覚のせいか異様に疲れた感じがした
 
その夜は解散となり、友人BはA宅に泊まる予定だったので俺は帰る事にした
 
楽器をしまい部屋を出ようとした時、後ろ髪を引っ張られた
 
指で握ってむしられるような
 
振り向くと友人らはソファに座っている
 
怖がらせるのも悪いと思い、何も言わずに帰った
 
翌朝
 
出勤しようと車に向かうと、何かに気付いた
 
フロントガラス
 
その縁に紋様のようなものがある
 
最初、汚れだと思った
 
よく見ると違う
 
何人もの人の指の跡
 
まるで車を両脇から行かせまいと手でつかんでいたかのような跡
 
その日の夜
 
友人Bから電話があった
 
それは昨晩、俺が帰った後の、深夜の友人A宅で起きた出来事の話だった
 
 
~続~
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兆候はあった。
 
 
盆や彼岸が近付くと、そう。
 
何かがいるのが解ってくる。
 
うちの母親のほうは感覚が澄まされて、よく見えてくるらしい。
 
以前、サイキックで行方不明者を捜索する番組を見ていると、その捜されてる方が亡くなっている場合、能力者を手招きして導いているのが見えるそうで。
 
その母が、よくこんな事を言う。
 
現れる時は鈴やドラの音が鳴る
 
この前の祖父の法事前もそうだった。
 
四六時中、どこからともなく鈴とドラの音が響いてくる。
 
俺も耳に拾うくらい。
 
鳴り始めた日の夜。
 
祖母さんに会った。
 
もう三年前に死んでいる祖母さんに。
 
その日から音はよく鳴り響くようになった。
 
 
 
うちの墓というのは山の頂上にある。
 
その裏山には戦国時代後期、隠れキリシタン達が切り捨てられた処刑場跡と、首塚がそこかしこにある。
 
夜には今だに叫び声が聞こえてくるという話。
 
法事、当日。
 
墓前に進み、手を合わせた瞬間、俺のすぐ耳元で苦しげなうめき声。
 
振り向いても周りに苦しむ者など誰一人いないし、耳元だから側の事。
 
雨が降り始めたので早々に切り上げて帰ってきた。
 
その夜。
 
うたた寝を友人の電話で起こされ話し込んでいると、部屋の空気が重い事に気付く。
 
ふと自室のドアが開け閉めされた。
 
廊下を見ても誰もいない。
 
部屋の中をベタベタと何かが歩く音がする。
 
見ても誰もいない。
 
突然、コンポがオンになりセットしてたヂンギスカンが鳴り響く。
 
電話越しに友人は笑うが相手は怖いのが苦手なのでお茶を濁し電話を切った。
 
床にいつの間にか水たまりが出来ている。
 
観葉植物のサンスベリアの葉がグラグラ揺れ動く。
 
下の階で音がするので行くと風呂のシャワーが出ていた。
 
止めて部屋に戻ると水たまりがない
 
何か違和感があり、視線を上げると天井辺りに何かが浮いている。
 
髪の長い女の首
 
ふと消えたが久々に気味が悪くなり、茶の間に行きソファに寝転がった。
 
すると金縛り
 
重みを感じ視線を移すと胸の上に何かがある。
 
三つの生首
 
口が動き何かを呻いている。
 
それぞれ俺の顔を見ている。
 
どれも目には眼球が無い。
 
意識が薄れ、気付くと朝。
 
着ていたシャツから死体の匂いがしていた。
 
 
雨の夜、ふと思い出す出来事。
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