中学1年生になった生徒さん。


私が都心の音楽教室で教えていた頃にピアノを始められた生徒さんはちょうどこのくらいの年になるのですが、出産を機に教室は離れ、今の場所で再スタートしているので

この子は貴重な中学生の生徒さんのうちの一人です♪



柔らかな物腰の中でも意思は強く、物事の好き嫌いが良い意味でハッキリしていて、


「好きに弾いていいよ」と言われると逆に尻込みしてしまう人も多いと思いますが、彼女は小さい頃から楽譜は読みたくない、とにかく好きに弾きたい‼️

という生徒さんでした😆

小さなのだめちゃん?



せっかく音楽は好きという気持ちはあるので、ここで無理矢理楽譜と睨めっこさせるのも違うなぁと思い



最初は長調、短調を耳で覚えてもらうことから始め、


じゃあ長調ばかりじゃつまらないから短調でも弾いてみる?


4拍子は飽きた?今度は3拍子で弾いてみようか


この音の組み合わせで弾くと○○メージャーになるよ


このリズム入れてみようか。どういう気分になる?


これは□□というコードだよ



...などと、少しずつ知識を散りばめるようにしつつ(笑)適当に伴奏を付けながらの即興ゲームは彼女のお気に入りの遊びでした。



また、音楽の問いと答えゲームもよくやりました。

私がフレーズを弾き始め、生徒さんが締める。生徒さんが弾き始めたものに対して、私が答える。


例えば、ドミソ→ソミド

ドレミファソ→ソミファレド

最初はこんなシンプルなものから。


これは以前ポーランドのブロニスワヴァ・カヴァラ先生の通訳をさせていただいた時にレッスンでされていたものです。



そんな感じで、それはそれは年単位で、彼女の即興ゲーム期は続きました。


とは言え細々と易しいテキストも続けてきたので、楽譜も読めない訳ではありません。



そんな彼女が小学校高学年になった頃、

「(いわゆる)クラシックも弾いてみたいな〜」

と言ってきたのです😳



お勉強も忙しくしているのでゆっくりペースではあるけれど、音がそんなに多くなく、彼女の自然で抑揚のある歌心と綺麗な音を活かせる、少し大人っぽい曲を弾くことに。



「ここはこの音の方が良いのにな〜」

「このクレッシェンド無視しちゃ駄目かな?」

などと言ってくることもありましたが😅

これこれこういう理由で、こうしたんじゃないかな?と一つずつ説明。



そしてある日、今日なら伝わりそうというタイミングがあったので伝えてみました。



「あなたみたいにこだわりがたっぷりな人がね、もっと色々なことを勉強した上で考えて一生懸命作った曲なの。


それを好き勝手に弾かれたら、そこは違うのになぁ、そうじゃないのになぁ、って思うんじゃないかな?」



すると

……ああ。すごく納得。」

腑に落ちた表情を見せてくれました。



なぜ楽譜通りに弾かなければいけないのか?


「こうしたい、これが好き」がハッキリしている生徒さんだからこそ、強く実感してくれたのだと思います。



即興だってもちろん楽しく素晴らしいです。

けれど、これからは枠組みがあるからこそ得られる自由も楽しんでもらえたら✨



長い時間かかるかもしれないけれど、

こちらがブレることなく伝えたいことを伝え続け、肥料をあげ続けると

いつか気付いてくれる日が来ること

この生徒さんから教わりました💖



教育は、いつだって途中経過です。


お子さまにも、教える側の私にも、すぐに結果を求めず、信じて続けさせてくださった親御さまにも感謝ですね。






今日から10月とは!

ワサワサと茂っていた庭のバジルの季節も終わり。



この夏はお気に入りのジェノヴェーゼのレシピが見つかり、よく作りました♪





バジル消費には子どもたちも大好きなガパオライスも。



テーブルにはいつの間にか娘による秋色ディスプレイが😆