たかっちです。
縦走生活 4日目
朝を迎える
疲労の溜まりを感じるけど、睡眠をとると多少リフレッシュされたような気分になる。
4日目ともなると、どれだけ疲れてようが自然と3時前には目を覚ます。
実をいうと、前日も前々日も疲労が激しく食事がロクにとれてない
食べなければ動けないので無理やり口に入れるものの消費カロリーよりエネルギーの摂取が
確実に下回ってる
昨晩もアルファ米を食べようとすると吐き気に見舞われてしまった
それでも食べなければと、手近にあったポカリで無理やりご飯を流し込んだり
身体と心がうまくリンクしなくなるねんな
結局動き出しが遅く、烏帽子岳の登頂は断念した
目の前のピークをとれなかった・・・
これは正直ショックやった
無理に登頂するより、計画の遂行を優先しようと
テントを畳んだら次の山へと向かうのでした
そう、先はまだ長い
今日は野口五郎岳から水晶小屋を経由して鷲羽岳から三俣のテント場という
いわゆる裏銀座コース
それなりに長いけど、途中に小屋があるので昨日よりもかなり気分的にラク
しかも稜線コースでアップダウンは少なめ・・・
と、願おう
烏帽子のテン場を出発すると三ツ岳に向かってまずダラダラと、
ゆるい長い登りが続く
朝から天気が本当によくて
西の方は赤牛岳の向こうには薬師岳も見えはじめる
登山道には人も少なく
好天の下、両側を北アルプスの名峰に囲まれながら黙々と稜線を歩いていく
ほどなく、三ツ岳のピーク(2844.6)に登頂
あまりパッとしないピーク
まぁ、烏帽子と野口五郎の中間点的なポイント
ここではあまり長い休憩はとらずに出発
野口五郎岳を目指す
急勾配でなく、割となだらかな稜線を登っていく
危ない道の通過がないというのはやはり気分的にも肉体的にも負担が軽い
そんな稜線を登りつめると、
まず先に野口五郎小屋が見える
やはり短いピッチで小屋があるのは有り難い
登頂の前にまず休憩
「みかん缶 冷たくておいしいよ~」
って書いてあったのにつられて買ってしまったが、
まじウマかった!
エネルギー少な目やからね
こういう食べ物は有り難い
栄養補給も終え次の目標へ
水の補給を終え小屋を出て少し登りはじめると、
そこはもう
憧れの野口五郎岳(2924.3)
今回の縦走の一つの目標でもあったピーク
だだっぴろーい感じの頂上
うん、平和を感じる(笑)
天気も良く実にのどか
景色は最高やし
※ちなみにですが、、、
あの歌手の「野口五郎」はここから芸名をとったそうな
まだ遥か先に見える目的の槍ヶ岳も少し近付いてきたような気がする
ここで昼食をとる登山者が数名
そりゃおいしいだろうよ、こんなところで飯が食えるなら
だけど、ゆっくりはしていられない事情があった
そう、水晶岳が見えると、
やはりあれに登ろうと
予定を変更することにした
昨日、烏帽子岳をとれなかった穴埋めに水晶岳のピークをとる
角を捨てて飛車を獲る!!
水晶岳といえば百名山でもあり、北アルプスきっての名峰の一つ
烏帽子岳の穴埋めには余るほどの価値がある
水晶岳は水晶小屋から縦走コースを外れ、往復およそ1時間10分のところにある
つまり、余分に縦走タイムより1時間かかってしまうわけだ
当然それなりに体力も消耗する
当初の計画では、水晶小屋からは水晶岳に向かわずにそのまま鷲羽へ向かう予定にしていた
その方が確実に鷲羽岳は登頂出来るからだ
水晶岳を優先すると今度は鷲羽岳へ登れなくなるというリスクも伴う
時間的なものだけじゃなくて、体力的な問題が一番大きい
さぁ、どうする??
出た答えが、
「両方獲る!」だ
そう、
「倍返しだ!!」
体力をなるべく温存しながらもスピードアップして縦走を続けなければならない
この日は体力のマネジメントが最も重要な課題だった
なので、名残惜しいが早々に野口五郎岳を後にすることにした
早速野口五郎を下り始める
水晶をとる!
そう誓ったものの、
実はここから水晶小屋までがそこそこしんどい
一度東沢乗越まで下り、それを跨いでまた小屋のある赤岳を同じ標高差を登り返さなくてはならない
200mちょっとだが、ここはそれなりに険しく体力を消耗する
一旦東沢乗越まで降りるとここから水晶小屋までは急登
水晶小屋が見えるが、これが近いようで遠い
ペースを落とさず、休憩もそこそこにがんばって登っていく
やはりかなりきつかったが、何とか水晶小屋まで到着
しかし・・・
それまで温存していた体力を一気に使い果たした感がある
ここで栄養補給
おしるこを食べる(笑)
これがまた旨いんよなぁ~
10時50分頃に小屋に到着
12時までに水晶小屋を出発出来ればというのが当初の予定だったので、
予定よりも早く進んでいる
これだと、空荷なら水晶岳を往復40分ほどで行けるだろうから
十分計画を遂行できる見込みがある
ということで、荷物は小屋にデポして空荷で水晶岳を目指した
しかし、やはり体力の消耗が思ったよりもあって
空荷でも足がつらい・・・
それでも走るように登山道を進んで
水晶岳(2977.7)をゲッツ
折り返して水晶小屋までもどったが、
結局50分かかってしまった
時間よりも体力
大丈夫か?と自分に自問自答
答えは
だいじょうブイ!!
いや、、大丈夫やなくても、鷲羽へ向かう
巻道というエスケープルートもあるが、
それは使わない
絶対に鷲羽をとる!
そう誓ってまた、思いザックを背中に背負って
ワリモ乗越を下っていく
どんなに遅れても最悪16時までには三俣のテン場につくはず
三俣なら混んでても張れないってことはないやろう
まぁ、多少斜めでも我慢しよう
水晶小屋からワリモ乗越を下りていくと、分岐に到着する
ここからは、ワリモ岳、鷲羽岳の方へ進む
そう、また激しい登りと下りが待ってるわけだ
巻き道をつかえば楽に三俣まで行けるが、
せっかくここまで来たんだ、やはり鷲羽へは登りたい
意を決してまた急坂を上っていく
この北アルプスで言えるのは
どれだけきつくても、どれだけしんどくても、どれだけ苦しんでいたとしても、
とにかく景色だけはいつも最高に美しいということだ・・・
そんなに大変な登りではないんやろうけど、
これまでの疲労の蓄積もあってとにかく登りがきつかった
ちょっとした登りでもかなり息が上がるようになっている
ワリモ岳はそれなりに岩場もあって険しさはあったが
無事登頂
せっかく登ったのに、
またここから一旦下りて今度は鷲羽岳へ登り返し
登るのはつらいが、つくづく秀麗でかっこの良い山だと感じながら歩を進める
ゆっくり、一歩一歩
そして、
鷲羽岳(2924.2)登頂
本日最後のピーク
この縦走メインイベントの一つ
やったぜ~ やってやったぜ~!
と、ここにきて少し達成感が沸いてきた
うん、山登りはしんどいけど、
やっぱり良いなぁ
と、改めて感じるのでした
そして、後はテント場へ向かうだけ
殆ど体力は残ってないけど、下るだけなら何とかなるっしょ
と、この鷲羽からの大下りを下る
そう、この下りが意外とハード
足場の悪い登山道
400mを一気に、めっちゃ下ります
コースタイムで約1時間を40分で下りたものの
かなり急坂でやはり大分足にきました
小屋が見えた時はやれやれと・・・
そして幕営
小屋につくと、烏帽子、船窪での少年が待っててくれて
テン場まで案内してくれて無事場所を確保(笑)
自分の降りてきた夕日に光る鷲羽岳を見上げるとまたこれが壮大で
かっくいーなっと
ソロの縦走とは言え本当に充実していたと後から思えばそう思う
テント場でも色んな仲間に出会う事も出来たし
最初の針ノ木のテン場ではじめて話しをした「緑テントの人」笑
おれと同じくソロのクライマー
この縦走コースはここまでずっと同じで、苦楽を共にする間に互いに親近感が沸いてか(笑)
ずっと仲良くしてくれました。
色々話をしたけど、もっと話を出来れば良かったなって
後からまたそう思う。
この「緑テントの人」とはここでお別れ
彼はこの後は双六小屋を経由して笠ヶ岳へと向かう
連絡先を交換するわけでもなく、名前を聞くわけでもなく、
そんなひと時のちょっとした出会いではあったけど、
色々励まされる部分もあり、お陰でこの縦走が充実したものになったと
本当に心から感謝したいと思う。
また、山をやってる限り出会うこともあると思う。
その時に、その先の話を聞こう
4日目もまた、日が暮れる
テント泊にも大分身体が慣れてきたように感じる。
食欲は相変わらずないけど、豚汁でご飯を流し込んだ。
明日はいよいよ槍ヶ岳
無事登頂出来ることを祈って・・・
4日目終了