韓国のあるインフルエンサー。

たぶん世界で一番かわいい顔をした彼女がこう言った。

「金曜日まで必死に働いて、土曜日の朝に目を覚ましたら

ANSEOLI(アンサリ)のケーキを一ホール食べるんです。

それが私のルーティン。」

 

……一ホール?

 

一切れじゃなくて?

 

そのフレーズを聞いた瞬間、少しクラクラした。

「いくら美味しくても一ホール?」

正直、太らない自慢をしたいだけなんじゃないの?

そんな意地悪な考えすら浮かんだ。

だから最初はあまり興味を持てなかった。

だけど、その名前が耳にまとわりつくように残った。

 

「予約は星を掴むくらい難しいらしい。」

「次は誰にもあげないで、自分だけで全部食べる。」

自分だけで一ホール?

本当に?

 

でもちゃんと理由があった。

小麦粉を使わず、純粋なメレンゲで仕上げたパブロバ。

口に入れた瞬間、雪のように溶けてしまう儚い食感。

 

「太らないよ!」という魔法のささやきが

罪悪感を一瞬で吹き飛ばしてしまうらしい。

そして、奇跡のようにめぐってきたチャンス。

 

くじも、じゃんけんも、いつも負けてばかりの私が

あの予約難易度MAXのアンサリパブロバを

なんと無料で!

友人のバースデーパーティーで一口だけ味わうことができた。

 

 

……終わった。

 

 

メレンゲはやわらかく崩れて、

中のフルーツの酸味がまるで波のように押し寄せる。

 

「愛してはいけない人を愛してしまったような感覚。」

叶わないからこそ、余計に恋しくなる。

そのあと他のパブロバを探して心を落ち着けようとしたけれど

気づいたのだ。

 

やっぱり安書里じゃなきゃダメだって。

一ホールを一人で食べたいという気持ち、

今ならわかる。

 

そして、友人が「スプーンでかきこむ」と言っていた理由もわかる。

このケーキはフォークで上品に分けるものじゃない。

スプーンで遠慮なくすくって食べるのが正解だ。

 

だから、恥を気にしなくていい相手と食べるのをおすすめしたい。

 

アンサリのパブロバは

人生で一度は必ず体験すべきケーキだと思う。

 

あのワールドスター、G-DRAGONも

コンサートの打ち上げで

安書里のパブロバにロウソクを立ててお祝いしたと聞く。

その存在感は、これからもっと伝説になるはずだ。

 

予約?

 

もちろん難しい。

むしろ戦争だ。

 

でもあきらめないで。

だって、日本人なら挑戦できるはず。

おいしいもののために、

並ぶことも、待つことも、耐えることも

楽しめるのが日本人だから。

 

予約は韓国のブログを参考にするか、

キャッチテーブルというアプリからトライできる。

ちょっとハードルは高いけれど

スマホを手に持つあなたに

幸運の女神がほほ笑んでくれるかもしれない。

 

そしていつか土曜日の朝、

目を覚ました瞬間に

「一ホール」を抱きしめる自分に気づくかもしれない。

 

 

image from@anseoli.bak

 

📍 アクセス

서울 강남구 청담동 9-1(Anseri Baking Lab)

地下鉄7号線・清潭(チョンダム)駅 8番出口から直進400メートル。

土曜日のメレンゲは、そこであなたを待っている。