家元の自分音楽 史⑦【虹をみたかい/渡辺美里】
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YouTube 虹を見たかい 渡辺美里
家元の黒歴史ブログにようこそ。
高校2年の夏。
灼熱の太陽の下、
僕は西武球場に居た。
渡辺美里のライブ?
いや違う。目的は、
「高校生クイズ」
あの人気番組に、仲良しの3人組でエントリーしたのだ。
当時はまだ、ジャストミート福沢ではなく、
トメさんこと、福留 功男さんが総合司会。
早朝から集結した3人は、
一路電車で、予選会場へ。
ごった返す人の波。
こいつらみんな、高校生クイズに参加するのかよ。
テレビで見るのとは全然違う、
未体験の異質な空間が、そこに待ち受けていた。
球場を埋め尽くす人、人、人。
5万人くらい居たらしい。
これで関東ブロックだけの参加者なのだから恐れ入る。
予選会場の西武球場は、当時まだ屋根無し。
すり鉢状のスタンドに腰掛けると、
すぐさま容赦ない日差しの洗礼。
うちわで扇いで、カチワリで冷やして。
なかなか始まらないクイズ本番を、ただ待った。
そのうち、あまりの暑さに倒れる参加者が出始める。
ようやく電光掲示板の前で何かが始まった、と思ったら。
よく知らない歌手が歌い始めた。
そんなん良いから、クイズ始めてくれよ。
さらに待って、
ようやくグラウンド中央のお立ち台に、
トメさんが現れた。
「燃えているかー!」
待ってたぜ!暑くて死にそうだけどな!
3人寄れば文殊の知恵。
YES-NOクイズの1問目と2問目を無事通過。
あの、電光掲示板に答えが出る瞬間の、
何とも言えぬカタルシスが堪らなかった。
高校生クイズに参加している、という実感があった。
3問目。
今でも忘れない問題。
【ホットドッグは、中国語で熱い犬と書く】
思わず叫んだ。
「俺、これ知ってるよ!絶対NOだ!」
何故か確信があった。
きっとどこかのテレビか雑誌で得た知識で、
別の書きかたをするという、自信があった。
何て書くかは憶えてなかったけど。
僕の力説ぶりに、残る二人もあっさり同調。
「NO」を選んだ僕らは、グラウンドへ下りた。
僕らの議論を傍で聞いていた、他のチームの連中も、
ぞろぞろとついてくる。
初めて踏む、グラウンドの人工芝の感触が気持ち良い。
「そうだ、これが正しい選択だ。俺についてくれば間違いない」
その時がきた。
電光掲示板を注視する、参加者達。
僕は冷静だった。だって、そこに出るアルファベットは、
2文字で、青く輝く、それの筈だから。
さあ、来い。
NOなんだろ!さあ!
「YES」
仲間二人の呆然とした顔と、直後に向けられた眼差し。
そして、巻き添えになった他のチームの参加者が、
グラウンドに崩れ落ちる姿が、
今でも忘れられない。
帰り道。
強い西日に、背中を灼かれながら。
僕は狭山湖の上に、虹をみた気がした。
目が湿っていたから、かな。
家元の自分音楽史⑥【リンダリンダ/THE BLUE HEARTS】
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恋。
初めてのアルバイトは高2の春。
某「らんらんるー」なファーストフード店。
良き仲間に恵まれ、楽しく学業とバイトをエンジョイしていたころ、
同じバイト先の女子と、お付き合いすることになった。
初彼女ですよ。
あれだ、彼女って、出来るときは物凄くあっさり出来るものだな。
告白したわけでも、されたわけでもなく。
そんな僕も、今じゃ彼女いない暦8年。
まあ、それはともかく。
最初のデートはどうしよう。
思い切って某ねずみの王国に行くことにした。
丁度、開園5周年とかで盛り上がっていた頃だったし。
当日。
ふたりとも、ありえないくらいのオシャレな格好して。
まあ、思春期だからね。
もちろん電車で舞浜へ。
お互いのことをまだ、良く知らないので、
色々と探りあいになる。
話は自然と、好きな音楽の話に。
「わたし、ブルーハーツ大好き」
「え~、あんなのどこが良いの?」
当時の僕は、ブルーハーツが大嫌いだった。
僕が好きなアーティストたちの、練りこみを重ねた楽曲に比べ、
ストレートかつシンプルな音を提示する彼らの楽曲は、
あまりにも安易で、チープに思えたからだ。
今にして思えば、ろくに聴きもしないで、浅はかな判断だったとは思う。
彼女は自分の好きなアーティストを貶され、
真っ赤になって怒った。
デートはもちろん、散々な内容。
終始無言だわ、振り回されるわ。
後半機嫌を直してくれて、エレクトリカルパレードでは上機嫌だったのが救いだった。
その後、自分なりに頑張って、
ブルーハーツの曲をたくさん聴いた。
ただガナリ立てているだけではない、強いメッセージ性を持った曲の魅力に、
ようやく気がついた頃。
僕は彼女に振られた。
「他に好きな人ができたから」
彼女の次のお相手は、
道路向かいの某、フライドチキン店のバイト君。
出勤してきた彼女の右手、薬指に光るリング。
幸せそうな表情。
あの日から僕は、
カーネルサンダースが大嫌いです。
家元の自分音楽史⑤【電気とミント/PSY・S】
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後に聞いた話では、
そのバンドは程なく解散。
理由はベタな話で、新規加入の女子を巡る争奪戦のあげく、バンドメンバーの対立が勃発。
「オンナで潰れた」バンドの典型となってしまった。
さて、楽器は出来ないくせに、音楽には係わってみたいという、
何とも身勝手な思いの行方は、
「作曲なら出来るんじゃね?」
という方向へシフト。我ながら斜め上な発想だ。
当時はデジタルミュージックの黎明期。
YMO、TMネットワークなどの打ち込み系サウンドに触発され、
楽器が弾けなくても、シーケンサーにデータを打ち込めば、曲が作れるだろうと考えた。
発売したばかりのYAMAHA TQ5を買ったものの、使いこなせず持て余していた、
友人の部屋に毎日のように上がりこみ、ステップ録音での打ち込みに没頭。
最初に一曲通して完成したのが、この『電気とミント』。
もちろん、同時発音数が足りない(和音を打ち込むと音色が足りなくなる)上、基本音色にドラムがなかったので、
ペラッペラの仕上がり。
それでも達成感はかなりのものだった。
さて、いよいよオリジナル曲だ。
鼻歌を音符に変換、五線譜に置いていく。
それをTQ5に打ち込んでいく。
メロディライン、ベースと打ち込んで、とりあえず1番が完成。
さっそく友人に試聴してもらう。
どう?オレの曲。
「あのさ、この曲、
コードがCしか無いんだけど。』
作曲の道は、甘くなかった。
家元の自分音楽史④【その後で殺したい/SHOW-YA】
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何しろ思春期である。
自我だけはどんどん拡大するものだから、
「オレは何でも出来る」と思い込み、
色んな物事に足を突っ込んでは、痛い目を見る日々だった。
一応断っておくが、
当時の僕は現在よりも20Kg程度はスリムで、
ディスコで踊っている姿は、それなりに様になっていたはずだ。
せめて、そう思わせて欲しい。
今の僕がそれをやったところで、
マイコーではなく、パパイヤと呼ばれるのがオチなのは、
痛いほど分かっているのだから。
それはともかく。
何でも(容易に)出来ると思っているものだから、
当然バンドブームにも、足を突っ込むわけだ。
友人が結成したコピバンに、楽器も出来ないのに参加。
もちろん「Vo.」である。
メンバー求む。Gt.Key.Dr.Bs. 当方Vo.
当時はレベッカやBOØWYの全盛期。
なのに、バンドの方向性は「チェッカーズ」
リーダーがサックス好きなので、という至極短絡的な理由。
練習はいっちょまえに、週一でスタジオを借りていた。
千葉は本八幡の、某楽器店のレンタルスタジオ。
当時ブレイクしていた『SHOW-YA』が、
アマチュア時代に練習に通っていたという。
店内には、サイン色紙が飾られていた。
練習を重ねるうち、ある日リーダーが言った。
「女子メンバーが新加入するよ」
「へぇ、担当は?」
「Vo.」
バンドの方向性は、いつのまにか、
「SHOW-YA」「レベッカ」をコピーする方向に変わっていた。
楽器の出来ない僕の居場所は、どこにも無かった。
あ、SHOW-YAの曲、大好きです。
家元の自分音楽史③【スリラー/マイケル・ジャクソン】
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説明不要のメガヒットアルバム。
僕を惹きつけたのはゾンビダンス、ではなくて、
ビリー・ジーンで魅せるムーン・ウォークの方。
VHSで深夜のTVを録画して、件のシーンを繰り返しリピート再生。
部屋の畳が擦り切れるくらい練習して、
ついにムーンウォークをマスター!
勇んでディスコで披露すべく足を運んだところ、
すでに同族が多数(しかも僕より上手い)でしょんぼりした記憶も。
この次のアルバム『BAD』にも僕は大きな影響を受けた。
高校2年の文化祭で自主制作映画を作成したのだが、
そこには3人並んでBADのダンスを踊る、恥ずかしい僕の姿が映っている。
もちろん、ストーリー的に何の脈絡も無い。
ちなみにその映画は、
「超能力戦士K」というタイトル(Kは高校名のイニシャル)で
学園にやってきた悪の超能力者と、
学生の振りをした、地球を守る正義の超能力者が、
学園を舞台にバトルを繰り広げるという、なんともベタな内容。
監督、脚本、主演(超能力戦士)は全部僕だった。
よくこんな企画通ったな。
フィルムが現存しないのが、返す返すも残念。
いやあ、残念だなぁ。