かわりゆく夢86 | 遊人 World

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この世界の物語はフィクション!! 気分で? 音楽・魚・植物等
(トラブル防止の為、二次使用禁止)

「俺の事、放置して帰ったでしょう!!」

 

昼飯を食べに来た割烹料亭で、組員1に会った最初の一言だった。忘れていたのは組員1だったのか、大切な事でなくて良かった。

 

「いいんですけどね・・・奢(おご)ってくださいよー」

 

「お前さー 俺のおかげで、儲けてるよね?」

 

「儲けているんですけど、おっかーが小遣いを くれないんですよー」

 

世の中の鬼嫁のみなさん、少しは旦那に小遣いを・・・

 

「まぁ、商業組合持ちだから いいけどな」

 

「あざーす」

 

こいつも図太くなってきたなと思いながら親子丼を食べてると

 

「そういえば、冒険者組合に天罰が落ちたと街の噂ですよ。あいつら、どんな悪さをしたのでしょうねー」

 

あっ! 怒りにまかせて使ったんだった。そうだ、ついでに・・・

 

「この手紙を冒険者組合の所長に渡しといてね」

 

大将の まさるさんに紙を売ってもらい、手紙を書き組員1に渡した。この世界では、紙は高級品なのだ。

 

「わかりやした。で、遊人さんは昼から お出かけですか?」

 

「これから授業参観だ!!」

 

「授業参観?」

 

「おうよ。本当は引き籠りたいのだが、たまごと あまいが剣の訓練を見に来いというので・・・断って、グレても困るしな」

 

事実、やばい所だったからね。

 

組員1と適当な話をした後、訓練所に向かった。

 

「きたーー」「約束は守ったみたいね」

 

二人は俺に気づいたようで、嬉しそうな顔で手を振っている。

 

「そこの二人!! ちゃんと見ておくように!!」

 

馬鹿二人が怒られているようだ。あの人が名もなき師匠だな。

 

名もなき師匠の剣技を見た後、各自練習をしながら指導を受ける訓練みたいだ。

 

「では、たまごちゃん あまいちゃん頼むよ」

 

名もなき師匠に 二人が言われると、たまごと あまいが一定の距離をとる。すると、二人が個々に警備兵達に取り囲まれて戦い始めた。

 

意味が、わからずにいると・・・

 

「遊人さんですよね? 二人は強いので、1対1では相手が いないのですよ。警備兵の連携訓練も含めて、こういう形になったんですよ」

 

近づいて来た 名もなき師匠が言った。

 

「大丈夫ですか? 警備兵が空を飛んでますが・・・」

 

「うーん。遊人さんが来てるから張り切ってるのかな。まぁ、先日までの荒々しさが無くなったので大丈夫ですよ。先日まで怪我人が たくさん出ましたけどね」

 

原因は、俺が遊ばなかったという事は黙っておこう。

 

「遊人さん、あなた強いのに なぜ?自分で二人を鍛えないのですか?」

 

名もなき師匠が言った。なぜ、バレたのだ?

 

 

つづく