かわりゆく夢80 | 遊人 World

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この世界の物語はフィクション!! 気分で? 音楽・魚・植物等
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「聞いてるんですか?」

 

現在、俺は うらちゃんの おかまバーで組員1に絡まれていた。

 

「もう、わかったから帰って いいかな?」

 

「ありがとうございました!!」

 

「しつこい!!」

 

さっきから、これの繰り返しだ。

 

やっくんと知り合って1ヶ月半くらい経ち、7月下旬になっていた。珍しい本を借りに、毎日やっくんの店に通っていると 組員1が毎日ついてきて話を聞いてくれと しつこかった。

 

根負けした俺が話を聞くと、商業組合の3番手に番頭の座を今にも取られそうだと言うので、大変ですねと返したら その場で真っ白になっていたので放置したが、やっくんの店で本を借りて帰る頃には元に戻っていて、つきまとわれた。

 

仕方ないので話を詳しく聞くと、組長が商業組合を一族で独占する為に 組長の妹の次男坊を入れたのが3番手で、仕事を覚えたから番頭の組員1が邪魔になり、あと1ヶ月以内に なにか実績をあげないと降格すると言われたそうだ。大変ですねと返すと一瞬白くなったが、つきまとってくる。

 

面倒くさいが、何が実績に?と 聞くと なんでも いいと言うので、1週間で たまご商店という お好み焼き・たこ焼き・焼きそばを基本とした鉄板焼き屋を作った。

 

組員1が適当な居抜き物件を見つけてきて、大きな鉄板を1枚入れて 俺が作った熱発生の魔道具を仕込んで、従業員も組員1が探してきた。調理は基本的に切って焼くだけなので簡単に仕込め、1週間という速さで開店したのだ。

 

通常だと店の買い取りだけで金貨10枚以上必要なのだが、さすが商業組合の番頭、交渉はお手の物で手直し込み金貨5枚だった。ちなみに、費用は すべて俺持ちで俺の店だ。

 

組員1が、店を開店させた実績を持って行っても 駄目だと 組長に言われたが、ソースとマヨネーズの特許を取って認められたのだ。意外とソースとマヨネーズは、この世界になかったのだ。

 

 

つづく