はじまりの夢37 | 遊人 World

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「ごしゅじんさまっ」

 

あまいの声に反応して矢を放ちウサギを仕留める。

 

最初の狩りから1週間、気配を消す・気づく・連携の訓練をした後、3日に1度くらいの感覚で狩りに来ていた。なぜ、3日に1度かと言うと・・・狩っても狩っても2匹が食べてしまうので地下室の肉が貯まらない。季節は8月下旬だが冬までに食料を貯められるか不安だった。

 

しかし、狩りの腕も上達していた。今も あまい・たまごが剣で1匹ずつ俺が弓で1匹ウサギを仕留めたのだ。少しずつではあるが貯まってきている。

 

「ご主人様、鹿です」

 

あまいの気配に気づく能力は、かなり向上していた。たまごも向上しているが、まだまだである。

 

「じゃあ、2匹で追い込んできてね 俺が弓で仕留めるから」

 

「はーい」「わかりました」

 

連携も訓練の甲斐あってうまくいってる。

 

「ご主人様、イノシシです」

 

「たまご、囮役ガンバ」

 

「はーい」

 

最初の狩りの影響なのか たまごは囮役に決まっていた。

 

そんな感じで、今日の収穫はウサギ10匹・鹿2匹・猪1匹だ。

 

「よーし、今日は帰るとするか」

 

「もうちょっと、ウサギが欲しいかな」

 

たまごはウサギ肉が大好きになっていて、ウサギを狩りたがっている。

 

「もうすぐ、日が暮れるので帰るぞ」

 

「えーーーうさぎーーーー」

 

「じゃあ、一人で頑張りな あまい帰ろうか」

 

「たまごちゃん、頑張ってねー」

 

「かえる かえる」

 

拠点に帰ってきた俺は食事を取った後、なぜかわからないが2匹の毛並みを整える事になる。

 

「たまごは整える意味があるけど・・・あまいは、いいんじゃね?」

 

「たまごちゃんだけはズルいので、私も当然でしょう」

 

あまいの毛並みは、いつも綺麗なのだ。たまごは意外と綺麗好きなんだが不器用なんだよね。

 

「きもちが良くなってき・・・眠くなってきた」

 

「トイレ行って寝ろよ」

 

たまごがトイレに行くと、あまいの番だ。あまいは直ぐに終わるが、しばらくは頭を撫でてやる。

 

「眠くなってきたので寝ます」

 

2匹が眠ったので俺は秘密の夜なべに取り掛かる事にした。

 

 

つづく