「ごしゅじんさまっ」
あまいの声に反応して矢を放ちウサギを仕留める。
最初の狩りから1週間、気配を消す・気づく・連携の訓練をした後、3日に1度くらいの感覚で狩りに来ていた。なぜ、3日に1度かと言うと・・・狩っても狩っても2匹が食べてしまうので地下室の肉が貯まらない。季節は8月下旬だが冬までに食料を貯められるか不安だった。
しかし、狩りの腕も上達していた。今も あまい・たまごが剣で1匹ずつ俺が弓で1匹ウサギを仕留めたのだ。少しずつではあるが貯まってきている。
「ご主人様、鹿です」
あまいの気配に気づく能力は、かなり向上していた。たまごも向上しているが、まだまだである。
「じゃあ、2匹で追い込んできてね 俺が弓で仕留めるから」
「はーい」「わかりました」
連携も訓練の甲斐あってうまくいってる。
「ご主人様、イノシシです」
「たまご、囮役ガンバ」
「はーい」
最初の狩りの影響なのか たまごは囮役に決まっていた。
そんな感じで、今日の収穫はウサギ10匹・鹿2匹・猪1匹だ。
「よーし、今日は帰るとするか」
「もうちょっと、ウサギが欲しいかな」
たまごはウサギ肉が大好きになっていて、ウサギを狩りたがっている。
「もうすぐ、日が暮れるので帰るぞ」
「えーーーうさぎーーーー」
「じゃあ、一人で頑張りな あまい帰ろうか」
「たまごちゃん、頑張ってねー」
「かえる かえる」
拠点に帰ってきた俺は食事を取った後、なぜかわからないが2匹の毛並みを整える事になる。
「たまごは整える意味があるけど・・・あまいは、いいんじゃね?」
「たまごちゃんだけはズルいので、私も当然でしょう」
あまいの毛並みは、いつも綺麗なのだ。たまごは意外と綺麗好きなんだが不器用なんだよね。
「きもちが良くなってき・・・眠くなってきた」
「トイレ行って寝ろよ」
たまごがトイレに行くと、あまいの番だ。あまいは直ぐに終わるが、しばらくは頭を撫でてやる。
「眠くなってきたので寝ます」
2匹が眠ったので俺は秘密の夜なべに取り掛かる事にした。
つづく