三年前に退学した「僕」の前に現れた教授は、14歳の少女を守ってくれと依頼した。
「私が殺した女性の娘です。」人との波長が共鳴する時、物語が生まれる。
とりあえず読んで欲しい作品。読んで感じた事は胸に秘めておきたくなる作品。
はい三冊目ですね。
これは人から 読んでみる?と手渡されて 借りて読んだ本ですね。
その後自分で買いましたw
以下あらすじ
幼い頃からそれはあった。
父は言った。それは呪いだと。
『穴』
人が抱えたありとあらゆる打ち明けられない心の澱。
それを吐き出すための穴。
柳瀬は そんな力をもっていた。
ある時、三年前に辞めた医大の教授から呼び出される。
『ある女性を守って欲しいのです。』
教授は自分の患者を殺していた。自分の手で。
患者の娘の代理人として。
そして柳瀬は、その娘 立花サクラ と出会う。
感想!
柳瀬が持つ力は
人が 自分でも気づかない あるいは 気づきたくない 心の奥底の感情を表に引きずり出し
白日のもとに晒し出します。
それは 柳瀬自身が望んだことではなく、彼の中の呪いによって それは引き起こされてしまう。
その力は、対象となった人だけでなく 柳瀬自身も傷つけるもので
彼に人生はその力によって常に狂気の淵を歩いている。
この本は そんな柳瀬の過去と 出会いそして関わった人達を暴き 自身を暴かれ
それでも 人を祈るお話です。
狂気と現実世界を同時に知覚させられる感覚。
そんな文章。
この人の作品は今後も紹介して行くつもりではいますが、
どの作品も常に緊張の淵を歩かされて歩かされて 最後の一文で 救われる。
そんな話が多いように感じます。
読んで感じたことを胸に秘めておきたくなる。
これは、自分がもし 柳瀬と相対した時に 引きずり出されるのはどんな感情なのかという事です。
知りたくない自分の醜い部分を意識的に覗こうとするのは無理ですからねw
この本はそれを自覚させられるような気がします。
想像でもそんな事を考えてしまうと 一週間くらいドツボにはまります。
その一週間超えてみると 意外と人生が生きやすくなっているかも。
というのがこの本を読んで自分が感じた事です。
オススメって言ってるのに最後脅しみたいになってますけどww
これは苦手な人と読める人極端に分かれるとは思いますが
是非一度手にとってみてください。
- ALONE TOGETHER (双葉文庫)/双葉社
- ¥596
- Amazon.co.jp