昔、母の生家でアンゴラウサギを飼っていた。
名前はミコ
クローバーが大好物だった。
春の暖かい日に訪ねて行くと、ウサギ小屋が空っぽだった。
叔母が広い縁側でフワフワした白い毛の入ったカゴから糸車
で毛糸を作っていた。
思わずふるえる口をふさいだ。その後、出来上がった毛糸で母が私に
セーターを編んでくれた。
私の大好きなアンゴラウサちゃんが、私のセーターになってしまった!!
出来上がったセーターはさわるとフワフワしてとても暖かかったが、
悲しくて手を通す気にならなかった。
セーターは古くなるとほどいて、ヤカンの湯気にあてて毛糸のよりを戻し、
新しい毛糸を足して何度も何度も編み直していた母。
毛糸玉にするのに私の両手両足が糸車の代わりになった。
でも母の手伝いが出来るのと、この時ばかりは私だけが
母を独占出来た喜びで一杯だった!

