部屋デート。カップルがする事をする。彼女は身支度をしてご飯を作り始める。ボクは仕事をし始める。
するとまたしても台所から出てくる幽体。コユリだった。コユリもきゃーっ!と絶叫。「またかいなアンタ」と思いで伝えるボク「ほんとなんなんですかコレ」と泣きそうになってる。
その瞬間コユリの表情が一瞬トロンとなったのがわかった。幽体は魂を敏感に感じ取る。台所から出てきた幽体のコユリはボクと彼女の行為を、一瞬で感じ取ってしまったらしい。
まだ高校生3年生で付き合ったことはないコユリは、幽体の状態で大人の性に触れたことで芽生えてしまった気持ちがあるらしい。
コユリは部屋の端っこで彼女に触れないよう言う。
「ごめんなさい、、勝手に来ていきなり、、えーと、、、
大好き!
そう言って台所の壁に消えていった。
その日の夜。描いていた漫画の落書き帳を閉じ寝る準備。彼女はすでにスヤスヤ寝ている。
電気を消し真っ暗な部屋で、布団の上で空を見ながら寝る前にストレッチ。遠くを毎日15分見て寝ると視力にも良いとテレビで見たので、体のストレッチと共に、この日もしていた。その時はボクは空を見て目を疑った。
雲間に何かが見える。人の顔だった。しかもそれが5つ。顔だけが雲間からこちらを見ている。
どこかで見たことあるような人もいるが、その時はわからなかった。
テレビで見る蜃気楼のようなぼんやりした感じで、やはり目を閉じても見えるのだ。
コユリ、藍沢の時も、病院でもそうだったが直接見なくても見えるのだ。
"視床下部"
と言葉が落ちてきた。よく漫画で心の目で見る、という表現があるが、それは実際に可能らしい。
「想像できることは、全て叶えることが出来る。」そんな言葉があるが、想像できることはすでに存在している、ということなのだ。
霊的な世界に触れてわかった。心の目、という物事も実際に可能だから表現として存在するのだと身をもって体験したのである。
次の日の朝。またとてつもないことが起きた