メインの高谷選手VS宮田選手の熱戦。所選手VS今成選手の盛り上がりと、所選手の初タイトル。所選手VS今成選手に関しては煽りVのクオリティも上出来で、会場の空気作りには十分なものでした。

7月16日(土)に有明コロシアムで行われたDREAM JAPAN GPは、良い大会だったと思います。

それなにの、何か物足りなさを感じてしまったのは何故でしょうか。

既に巷では言われていますし、大多数の格闘技ファンはとっくの昔に実感していたことかもしれませんが、自身が日本発の格闘技興行に思い入れが強かったが故に、目を反らしてしまったいたのかもしれません。

今回のDREAMは、どんなに試合が盛り上がろうと、それが世界最高峰を決める場には繋がらないことを、猛烈に痛感してしまった大会でした。

もちろん青木真也選手など、頻繁に世界のトップと凌ぎを削るという意味でアメリカのUFCやストライクフォースを意識する発言をしていますし、今更何をと言われてしまうかもしれません。

ただ前回大会での新旧交代の失敗に続き、今大会で世界のトップとの果てしない距離の大きさのようなものを感じてしまいました。

ライトヘビー級のタイトルに挑んだ泉選手は、王者のムサシ選手にプロとアマ程の打撃のスキルの差を見せつけられ、良いところ無く完敗。

所選手VS今成選手のグランプリ決勝戦は、お互いのストーリーもあり盛り上がりましたし、所選手の良いところが出た試合でした。ただ所選手との試合でもそうであったように、今成選手の足関節狙い一辺倒のあのスタイルが次の世界トーナメントで通用するかは疑問符がつきます。(個人的に嫌いなスタイルではないのですが。。)

また、フェザー級のタイトルマッチでは、「試合内容に拘らなければUFCでも通用するのでは?」と期待されていた宮田選手が、王者の高谷選手に判定で敗れてしまいました。

高谷選手がタックルをきるのが巧かったというのと、試合がリングで行われブレイクも早かったというのもありますが、宮田選手は一度もまともに得意のタックルでテイクダウンを奪うことは出来ませんでした。

高谷選手のタックルをきる技術が世界でもトップレベルなのかもしれませんが、宮田選手が一度も得意のかたちでテイクダウンを奪えなかったというのは、厳しい現実だと思います。

PRIDE消滅から下降の一途をたどる日本のMMA界。サッカー界のように日本で活躍して、海外の舞台を主戦場として戦うという図式が固定化されつつあります。

日本MMA界の復興を祈りつつも、今は割り切って、日本で育ち世界へと羽ばたく、海外での日本人選手の活躍を応援する時期なのかもしれません。

現時点で世界での活躍の期待を背負っている日本人選手を3人挙げるとすれば、青木選手、日沖選手、そして今度リオデジャネイロでのタイトルマッチが決定している岡見選手でしょうか。

日本人選手が海外の舞台でもベルトを巻く姿を是非見たいものです。