今のK-1ヘビー級で対戦が観てみたいカードとして、バダ・ハリ選手VSセーム・シュルト選手を挙げる人達は多いのではないでしょうか?その対戦がK-1とは場所を変えて、オランダ・アムステルダムの立ち技系格闘技イベント“It's Showtime”にて行われました。

試合の決着は予想外に早く、バダ・ハリ選手が2度のダウンを奪い、難攻不落と言われたシュルト選手をKOで下しました。シュルト選手はほとんどバダ・ハリ選手のパンチのラッシュに対応することが出来ずに、良いところなく敗れてしまいました。以前からバダ・ハリ選手はシュルト選手との対戦を熱望し、勝利への自信をのぞかせていましたが、今回はバダ・ハリ選手が有限実行した結果となりました。

シュルト選手は2m12cmの長身からもたらされるリーチが一つの武器でした。しかし、2m近く身長があり且つリーチも長いバダ・ハリ選手には、シュルト選手のリーチはさほど活かされませんでした。シュルト選手はガードが甘くなり、隙だらけになってしまった顎を見事に打ち抜かれました。シュルト選手の弱点の一つは内側に入り込まれてのフック系のパンチだと言われてましたが、シュルト選手のリーチと打点の高い膝蹴りが中々内側に入り込むことを許しませんでした。190cm以上ある選手でも簡単にはシュルト選手に対して距離を詰めることは出来ませんでした。しかし、今回のバダ・ハリ選手は身長が2m近くある上に、非常に長いリーチを持った選手です。更にバダ・ハリ選手はヘビー級ではトップクラスのパンチスピードの持ち主です。それらのことが重なり、シュルト選手はいつものようにリーチ差を活かすことが出来ずに敗れてしまいました。バダ・ハリ選手のようなヘビー級のファイターは稀なのですが、彼のようにリーチ負けしないこと・回転の速いフック系のパンチが打てることが、シュルト選手を倒す主要な条件であるような気がします。そういった意味では、数年前にシュルト選手をKOしたイグナショフ選手は、その条件を満たしていた選手だと思います。それらの条件を満たさず、不利と見られながらも昨年シュルト選手を下したピーター・アーツ選手の根性は、本当に凄いと思います。









It's Showtime、その他の結果は下記の通りです。

●アティラ・カラチ
(3R判定 0-3)
○タイロン・スポーン

●シャイド・ウラド・エルハディ
(3R判定 0-3)
○アンディ・サワー

●トーマス・ホーン
(2R KO)
○ダニエル・ギタ

○ムラド・ボウジディ
(1R TKO※ドクターストップ、右額カット)
●エロール・ジマーマン

●ウィリアム・ディンデル
(3R TKO※ドクターストップ、右目カット)
○ドラゴ

●ステファン・レコ
(3R TKO※ドクターストップ、左足自傷)
○メルヴィン・マヌーフ



<ショウタイム-65kg世界タイトルマッチ>
○オロノ・フォーペチュポン
(5R判定 3-0)
●ハッサン・エル・ハムザオウイ
※フォーペチュポンが新王者に。

●シャネ・カンベル
(3R TKO※レフェリーストップ)
○ユーリー・メス

●ファルディル・シャバリ
(3R判定 0-3)
○ジョルジオ・ペトロシアン

●ブライアン・ロアニュー
(2R TKO※3ダウン)
○ムラット・ディレッキー

○アシュイン・バルラク
(延長1R判定 3-0)
●ビヨン・ブレギー

●ペリー・ウベダ
(3R判定 0-3)
○サヒン・カース・ヤクート

●リカルド・フィエート
(3R判定 0-3)
○リコ・フェルフーフェン

●イムロ・メイン
(3R判定 0-3)
○セム・ブラーン

●デニス・シュナイドミラー
(3R判定 0-3)
○クリス・ナギンビ

【オープニングファイト(ジュニア)】

●タリク・モクタル
(判定)
○マラト・フリホリアン

●レフォン・ファン・ヘースト
(判定)
○マイク・レダン

●ニック・フレセ
(2R KO)
○ザカリア・ゾウハリ

●ケリー・レフェフェル
(判定)
○シルヴァナ・プリンボーン