第7試合目からはウェルター級グランプリ一回戦の試合となりました。
まずは、ジョン・アレッシオ選手VSアンドレ・ガウヴァオン選手。アレッシオ選手はMMAにおいては40戦近いキャリアを誇るファイターです。一方のカウヴァオン選手はMMAの試合は3戦しか経験していないものの、その全ての試合でサブミッションによる一本勝ちを収めており、ブラジリアン柔術で数多くのタイトルを獲得している“怪童”と恐れられるファイターです。試合はガウヴァオン選手が持ち味を存分に発揮し、アレッシオ選手を完封しての一本勝ちを収めました。柔術の大会で非常に優秀な戦績を残している選手でも、MMAという競技で活躍できる選手と、出来ない選手に分かれますがガウヴァオン選手はMMAにおける適性を証明するような戦いぶりでした。
第8試合目は池本誠知選手VSマリウス・ザロムスキー選手。試合序盤は池本選手が勢いを見せてくれました。非常にアグレッシブな試合運びでペースを掴み、そのまま勝てそうな雰囲気も匂わせていました。しかし、相手のザロムスキー選手は粘り強さを見せ、徐々に試合の流れを引き寄せました。池本選手はスタミナを消耗してしまったのと、ザロムスキー選手のしぶとさに根負けしてしまったのか、試合終盤はザロムスキー選手に押し込まれる場面が目立つようになりました。試合はザロムスキー選手の判定勝ち。メンタルの部分が勝敗を分けた試合だったように感じました。負けはしたものの、池本選手にも良い場面が多く見られました。メンタル面を克服できれば、ファイターとしてもう一皮向けることが出来そうな選手です。
第9試合は白井祐矢選手VSジェイソン・ハイ選手。ミドル級のマヌーフ選手を彷彿とさせるような風貌のジェイソン選手が、マヌーフ選手顔負けの打撃のラッシュから、バックを取ってのチョークを極めあっさりと一本勝ちを収めました。ジェイソン選手は、そのパワーや突進力の凄さは感じられましたが、早い段階で決着がついてしまったため、グラウンドでのスキルなどはまだ未知数といった印象です。グラウンドで下になった時の対応なども見てみたいです。
第10試合はこの日のメイン、青木真也選手VS桜井マッハ速人選手の試合でした。試合前の雰囲気は非常に緊張感のあるものでした。観客が固唾をのんで見守る中で試合は始まりました。マッハ選手が大振りのパンチで突進したところを、青木選手が足元にも潜り込みました。早くも青木選手の展開になってしまうのかと思ったのもつかの間、青木選手の頭部を押さえ込んだマッハ選手の膝蹴りが、顔面に直撃しました。動きの止まった青木選手にマッハ選手がそのままパンチのラッシュを仕掛け試合終了。青木選手は一発目の膝蹴りで既に失神していたようです。マッハ選手がまさかの秒殺勝利を収めました。試合がこのような結果になったことで、「青木選手はウェルター級では全く歯が立たない」といったような声も上がっていますが、事前にこの結果を予想していた人はあまりいなかったのではないでしょうか。おそらく青木選手の勝利を予想していた人のほうが多かったのではないかと思います。元々青木選手は修斗のミドル級王者でしたし、一回目のマッハ選手との対戦では僅差の判定で敗れはしたものの、キャリアの浅い中で互角以上に渡り合いました。それから成長している青木選手と、最近ピークの頃のようなパフォーマンスを見せれていないマッハ選手では、青木選手有利との声が事前に多く上がっていても不思議ではなかったと思います。しかし、蓋を開けてみれば、よもやまさかのマッハ選手の秒殺劇でした。階級を上げるに当たっての、青木選手の準備不足によるマッハ選手との試合当日の体格差から来るパワーの差が青木選手の敗因の一つとして挙げられています。おそらく当日の両者の体重差は5Kg~8Kg程度はあったと思うのでパワー差は勝敗を分けた一つの要因として考えられると思います。ただこの日のマッハ選手には、何かが乗り移ったような力を感じました。格闘技に20年以上携わってきたマッハ選手に格闘技の神様が味方をしたのか、技術や体格差云々を超越するような
エネルギーを感じました。モチベーションという部分でも差があったのかもしれません。この試合のリスクはマッハ選手のほうが大きかったと思います。世代交代というテーマや、負ければ一階級下の選手に黒星を付けられたことになってしまうということもあり、マッハ選手にはプレッシャーもあったと思います。そのプレッシャーに押しつぶされるのではなく、良いモチベーションとして働いた結果、青木選手を気迫の部分でも圧倒したのかもしれません。
青木選手がマッハ選手に秒殺負けをしたことによって、青木選手の実力を疑う声や、バッシングの声も多く挙がっています。試合までの青木選手のマッハ選手に対する発言や、ウェルター級GPに極端に短い準備期間で出場したことなどについては本人にはDREAMを盛り上げようという意図があったのでしょうが、賛否両論の意見が出ても致し方ないところだと思います。ただし、この結果を受けて青木選手を実力のない選手とするのは、少々違うような気がします。JZカルバン選手やアルバレス選手を下した実力は本物ですし、青木選手は最近海外でも最も評価の高い日本の総合格闘家の一人です。きちんと時間を掛ければウェルター級でも通用する選手だと思っています。勝負事には、そのときのタイミングや流れというものがあると思います。この日は、それがマッハ選手に大きく向いていたのだと思います。一方のマッハ選手は、久しぶりに全盛期を彷彿とさせるような爆発力のある試合を見せてくれました。特に修斗の頃からマッハ選手を応援している人たちにとっては、喜ばしいことだったと思います。マッハ選手は今回良い形で勝つことが出来たので、この流れに乗ってKO勝ちを重ねていって欲しいところです。日本の総合格闘技界を牽引してきた、桜井マッハ速人選手が、DREAMウェルター級GPの王者になることを願っています。
まずは、ジョン・アレッシオ選手VSアンドレ・ガウヴァオン選手。アレッシオ選手はMMAにおいては40戦近いキャリアを誇るファイターです。一方のカウヴァオン選手はMMAの試合は3戦しか経験していないものの、その全ての試合でサブミッションによる一本勝ちを収めており、ブラジリアン柔術で数多くのタイトルを獲得している“怪童”と恐れられるファイターです。試合はガウヴァオン選手が持ち味を存分に発揮し、アレッシオ選手を完封しての一本勝ちを収めました。柔術の大会で非常に優秀な戦績を残している選手でも、MMAという競技で活躍できる選手と、出来ない選手に分かれますがガウヴァオン選手はMMAにおける適性を証明するような戦いぶりでした。
第8試合目は池本誠知選手VSマリウス・ザロムスキー選手。試合序盤は池本選手が勢いを見せてくれました。非常にアグレッシブな試合運びでペースを掴み、そのまま勝てそうな雰囲気も匂わせていました。しかし、相手のザロムスキー選手は粘り強さを見せ、徐々に試合の流れを引き寄せました。池本選手はスタミナを消耗してしまったのと、ザロムスキー選手のしぶとさに根負けしてしまったのか、試合終盤はザロムスキー選手に押し込まれる場面が目立つようになりました。試合はザロムスキー選手の判定勝ち。メンタルの部分が勝敗を分けた試合だったように感じました。負けはしたものの、池本選手にも良い場面が多く見られました。メンタル面を克服できれば、ファイターとしてもう一皮向けることが出来そうな選手です。
第9試合は白井祐矢選手VSジェイソン・ハイ選手。ミドル級のマヌーフ選手を彷彿とさせるような風貌のジェイソン選手が、マヌーフ選手顔負けの打撃のラッシュから、バックを取ってのチョークを極めあっさりと一本勝ちを収めました。ジェイソン選手は、そのパワーや突進力の凄さは感じられましたが、早い段階で決着がついてしまったため、グラウンドでのスキルなどはまだ未知数といった印象です。グラウンドで下になった時の対応なども見てみたいです。
第10試合はこの日のメイン、青木真也選手VS桜井マッハ速人選手の試合でした。試合前の雰囲気は非常に緊張感のあるものでした。観客が固唾をのんで見守る中で試合は始まりました。マッハ選手が大振りのパンチで突進したところを、青木選手が足元にも潜り込みました。早くも青木選手の展開になってしまうのかと思ったのもつかの間、青木選手の頭部を押さえ込んだマッハ選手の膝蹴りが、顔面に直撃しました。動きの止まった青木選手にマッハ選手がそのままパンチのラッシュを仕掛け試合終了。青木選手は一発目の膝蹴りで既に失神していたようです。マッハ選手がまさかの秒殺勝利を収めました。試合がこのような結果になったことで、「青木選手はウェルター級では全く歯が立たない」といったような声も上がっていますが、事前にこの結果を予想していた人はあまりいなかったのではないでしょうか。おそらく青木選手の勝利を予想していた人のほうが多かったのではないかと思います。元々青木選手は修斗のミドル級王者でしたし、一回目のマッハ選手との対戦では僅差の判定で敗れはしたものの、キャリアの浅い中で互角以上に渡り合いました。それから成長している青木選手と、最近ピークの頃のようなパフォーマンスを見せれていないマッハ選手では、青木選手有利との声が事前に多く上がっていても不思議ではなかったと思います。しかし、蓋を開けてみれば、よもやまさかのマッハ選手の秒殺劇でした。階級を上げるに当たっての、青木選手の準備不足によるマッハ選手との試合当日の体格差から来るパワーの差が青木選手の敗因の一つとして挙げられています。おそらく当日の両者の体重差は5Kg~8Kg程度はあったと思うのでパワー差は勝敗を分けた一つの要因として考えられると思います。ただこの日のマッハ選手には、何かが乗り移ったような力を感じました。格闘技に20年以上携わってきたマッハ選手に格闘技の神様が味方をしたのか、技術や体格差云々を超越するような
エネルギーを感じました。モチベーションという部分でも差があったのかもしれません。この試合のリスクはマッハ選手のほうが大きかったと思います。世代交代というテーマや、負ければ一階級下の選手に黒星を付けられたことになってしまうということもあり、マッハ選手にはプレッシャーもあったと思います。そのプレッシャーに押しつぶされるのではなく、良いモチベーションとして働いた結果、青木選手を気迫の部分でも圧倒したのかもしれません。
青木選手がマッハ選手に秒殺負けをしたことによって、青木選手の実力を疑う声や、バッシングの声も多く挙がっています。試合までの青木選手のマッハ選手に対する発言や、ウェルター級GPに極端に短い準備期間で出場したことなどについては本人にはDREAMを盛り上げようという意図があったのでしょうが、賛否両論の意見が出ても致し方ないところだと思います。ただし、この結果を受けて青木選手を実力のない選手とするのは、少々違うような気がします。JZカルバン選手やアルバレス選手を下した実力は本物ですし、青木選手は最近海外でも最も評価の高い日本の総合格闘家の一人です。きちんと時間を掛ければウェルター級でも通用する選手だと思っています。勝負事には、そのときのタイミングや流れというものがあると思います。この日は、それがマッハ選手に大きく向いていたのだと思います。一方のマッハ選手は、久しぶりに全盛期を彷彿とさせるような爆発力のある試合を見せてくれました。特に修斗の頃からマッハ選手を応援している人たちにとっては、喜ばしいことだったと思います。マッハ選手は今回良い形で勝つことが出来たので、この流れに乗ってKO勝ちを重ねていって欲しいところです。日本の総合格闘技界を牽引してきた、桜井マッハ速人選手が、DREAMウェルター級GPの王者になることを願っています。