先日行われた、K-1 WGP 2008をTV観戦した感想です。
今回の決勝ラウンドは、従来の人気選手をプロテクトすることなく選手が選出され、新世代の選手が勝つのか、それとも旧世代の選手が意地を見せるのかという部分で、近年のK-1WGPの中では最も興味深く楽しみな大会でした。
本戦前のリザーブマッチの一つ、チェ・ホンマン選手VSレイ・セフォー選手の試合はTV中継されませんでしたが、レイ・セフォー選手が判定勝ちを収めたようです。セフォー選手は今年、中々勝ち星に恵まれませんでしたが、意地を見せました。引退も囁かれていたセフォー選手でしたが、内容も完勝といって良いものであったのでここで踏み止まりました。一方でホンマン選手は精神的なことが原因なのか、一時の勢いは見る影もなく、覇気の無い戦いで判定負けを喫しました。このような状態が続くと、近い内にK-1からは声が掛からなくなりそうです。
もう一つのリザーブマッチ、スロウィンスキー選手VSマヌーフ選手は、マヌーフ選手が持ち前の豪腕パンチで見事KO勝ちを収めました。マヌーフ選手はDREAMでのムサシ選手戦での敗戦後、引退をほのめかすような報道がありました。その引退説を吹き飛ばすような、豪快なKO勝ちを見せてくれました。一方でスロウィンスキー選手はパンチへの対応にあまり進歩が見られませんでした。ローキックという一流の武器を持っているが故に、それに頼りすぎているのかもしれません。パンチへの対応を覚えれば、非常に楽しみな選手だと思うので、再起に期待したいと思います。
本戦の準々決勝一回戦は、最も注目を集めていたバダ・ハリ選手VSピーター・アーツ選手。開始早々、アーツ選手のローキックにカウンターのストレートをあわせたバダ・ハリ選手が主導権を握り、すぐにダウンを奪います。アーツ選手は少々ムキになって、打ち合ってしまった部分があると思います。1999年の準々決勝でバンナ選手と打ち合ってKO負けした試合を思い出しました。1Rは精神力の強さでアーツ選手が持ちこたえたました。しかし、ややダメージが残っている模様で、打撃のキレも圧倒的にバダ・ハリ選手の方がこの試合では優れていました。2Rもアーツ選手がキックで応戦するものの、バダ・ハリ選手の勢いは止められず、そのままレフリーストップでTKO負けを喫してしまいました。アーツ選手はスピードのある選手ではないので、バダ・ハリ選手のようにスピードのある選手との相性はあまり良くないのかも知れません。ただバダ・ハリ選手もあまり打たれ強くない選手なので、開始早々から打ち合わず、違う戦い方をして隙を伺っていれば、また別の結果になっていたかも知れません。
準々決勝2試合目はテイシェイラ選手VSジマーマン選手。1Rはテイシェイラ選手の圧力の凄さ、そしてパンチスピードが前回の試合の時と比べ非常に早くなっていたのが印象的でした。キックボクシングルールでの経験の差が出たのか、3Rになるとジマーマン選手も巻き返し、アッパーでテイシェイラ選手からダウンを奪います。このダウンが勝負の決め手となり、ジマーマン選手が判定で勝利をモノにしました。負けはしたものの、テイシェイラ選手の進歩には目を見張るものがありました。実は個人的にテイシェイラ選手は、現極真世界王者ということで騒がれていたものの、パンチにぎこちなさを感じたいたこともあり、K-1ルールでの実力に関しては疑問視していました。今まで勝つ度に、凄い進化だと言われていましたが、世界レベルのパワーのある選手と試合をすれば呆気なく負けてしまうものだと思っていました。今回のテイシェイラ選手の試合内容は、そういった印象を覆すものでした。飛躍的なテイシェイラ選手の進化を初めて感じました。
準々決勝3試合目はルスラン・カラエフ選手VSグーカン・サキ選手で、スピードを売りにする選手同士の対決でした。序盤から中盤に掛けては、手数と体格差を活かした圧力でカラエフ選手が優位に試合を進めていました。しかし、3R終盤にサキ選手の起死回生のバックハンドブローが決まり、カラエフ選手からダウンを奪いました。カラエフ選手は残り僅かな時間でダウンを奪い返そうと試みますが、サキ選手の固い守りを崩せず、逆転判定負けを喫しました。カラエフ選手は、パンチに偏った戦い方をしすぎたという部分もあります。しかし、カラエフ選手のファイトスタイルを考慮すると、あのようにガードをひたすら固めるような戦い方をされてしまうと突破口を見つけるのは厳しいのかもしれません。試合前は目にも止まらぬ打撃の応酬を期待していた試合でしたが、それとは裏腹にあまり噛み合わない試合となってしまいました。サキ選手側の戦略でもあったようで、打撃の回転力は凄いものの、ヘビー級の中ではパワーの無いカラエフ選手に大しては有効に働いたようです。
準々決勝最後の試合はジェロム・レ・バンナ選手VSレミー・ボンヤスキー選手でした。バンナ選手の筋肉の盛り上がりと、その圧力は凄いものがありました。しかし、ボンヤスキー選手も非常に落ち着いて試合を進めていました。特に両者に大きな差は見られなかったものの、バンナ選手はやりにくさを感じているような印象でした。一方のボンヤスキー選手は鉄壁の守りをを固めつつも、要所要所で的確に攻撃を返していました。ボンヤスキー選手の右ミドルを貰い続けていたバンナ選手の左腕が3Rにとうとう悲鳴を上げました。壊れやすくなってしまったバンナ選手の左腕を最初からボンヤスキー選手も狙っていたのか、バンナ選手は試合続行不可能となり、ボンヤスキー選手が準決勝へと駒を進めました。
*準決勝、決勝、そしてあの衝撃の瞬間については近日中にアップさせていただきます。
今回の決勝ラウンドは、従来の人気選手をプロテクトすることなく選手が選出され、新世代の選手が勝つのか、それとも旧世代の選手が意地を見せるのかという部分で、近年のK-1WGPの中では最も興味深く楽しみな大会でした。
本戦前のリザーブマッチの一つ、チェ・ホンマン選手VSレイ・セフォー選手の試合はTV中継されませんでしたが、レイ・セフォー選手が判定勝ちを収めたようです。セフォー選手は今年、中々勝ち星に恵まれませんでしたが、意地を見せました。引退も囁かれていたセフォー選手でしたが、内容も完勝といって良いものであったのでここで踏み止まりました。一方でホンマン選手は精神的なことが原因なのか、一時の勢いは見る影もなく、覇気の無い戦いで判定負けを喫しました。このような状態が続くと、近い内にK-1からは声が掛からなくなりそうです。
もう一つのリザーブマッチ、スロウィンスキー選手VSマヌーフ選手は、マヌーフ選手が持ち前の豪腕パンチで見事KO勝ちを収めました。マヌーフ選手はDREAMでのムサシ選手戦での敗戦後、引退をほのめかすような報道がありました。その引退説を吹き飛ばすような、豪快なKO勝ちを見せてくれました。一方でスロウィンスキー選手はパンチへの対応にあまり進歩が見られませんでした。ローキックという一流の武器を持っているが故に、それに頼りすぎているのかもしれません。パンチへの対応を覚えれば、非常に楽しみな選手だと思うので、再起に期待したいと思います。
本戦の準々決勝一回戦は、最も注目を集めていたバダ・ハリ選手VSピーター・アーツ選手。開始早々、アーツ選手のローキックにカウンターのストレートをあわせたバダ・ハリ選手が主導権を握り、すぐにダウンを奪います。アーツ選手は少々ムキになって、打ち合ってしまった部分があると思います。1999年の準々決勝でバンナ選手と打ち合ってKO負けした試合を思い出しました。1Rは精神力の強さでアーツ選手が持ちこたえたました。しかし、ややダメージが残っている模様で、打撃のキレも圧倒的にバダ・ハリ選手の方がこの試合では優れていました。2Rもアーツ選手がキックで応戦するものの、バダ・ハリ選手の勢いは止められず、そのままレフリーストップでTKO負けを喫してしまいました。アーツ選手はスピードのある選手ではないので、バダ・ハリ選手のようにスピードのある選手との相性はあまり良くないのかも知れません。ただバダ・ハリ選手もあまり打たれ強くない選手なので、開始早々から打ち合わず、違う戦い方をして隙を伺っていれば、また別の結果になっていたかも知れません。
準々決勝2試合目はテイシェイラ選手VSジマーマン選手。1Rはテイシェイラ選手の圧力の凄さ、そしてパンチスピードが前回の試合の時と比べ非常に早くなっていたのが印象的でした。キックボクシングルールでの経験の差が出たのか、3Rになるとジマーマン選手も巻き返し、アッパーでテイシェイラ選手からダウンを奪います。このダウンが勝負の決め手となり、ジマーマン選手が判定で勝利をモノにしました。負けはしたものの、テイシェイラ選手の進歩には目を見張るものがありました。実は個人的にテイシェイラ選手は、現極真世界王者ということで騒がれていたものの、パンチにぎこちなさを感じたいたこともあり、K-1ルールでの実力に関しては疑問視していました。今まで勝つ度に、凄い進化だと言われていましたが、世界レベルのパワーのある選手と試合をすれば呆気なく負けてしまうものだと思っていました。今回のテイシェイラ選手の試合内容は、そういった印象を覆すものでした。飛躍的なテイシェイラ選手の進化を初めて感じました。
準々決勝3試合目はルスラン・カラエフ選手VSグーカン・サキ選手で、スピードを売りにする選手同士の対決でした。序盤から中盤に掛けては、手数と体格差を活かした圧力でカラエフ選手が優位に試合を進めていました。しかし、3R終盤にサキ選手の起死回生のバックハンドブローが決まり、カラエフ選手からダウンを奪いました。カラエフ選手は残り僅かな時間でダウンを奪い返そうと試みますが、サキ選手の固い守りを崩せず、逆転判定負けを喫しました。カラエフ選手は、パンチに偏った戦い方をしすぎたという部分もあります。しかし、カラエフ選手のファイトスタイルを考慮すると、あのようにガードをひたすら固めるような戦い方をされてしまうと突破口を見つけるのは厳しいのかもしれません。試合前は目にも止まらぬ打撃の応酬を期待していた試合でしたが、それとは裏腹にあまり噛み合わない試合となってしまいました。サキ選手側の戦略でもあったようで、打撃の回転力は凄いものの、ヘビー級の中ではパワーの無いカラエフ選手に大しては有効に働いたようです。
準々決勝最後の試合はジェロム・レ・バンナ選手VSレミー・ボンヤスキー選手でした。バンナ選手の筋肉の盛り上がりと、その圧力は凄いものがありました。しかし、ボンヤスキー選手も非常に落ち着いて試合を進めていました。特に両者に大きな差は見られなかったものの、バンナ選手はやりにくさを感じているような印象でした。一方のボンヤスキー選手は鉄壁の守りをを固めつつも、要所要所で的確に攻撃を返していました。ボンヤスキー選手の右ミドルを貰い続けていたバンナ選手の左腕が3Rにとうとう悲鳴を上げました。壊れやすくなってしまったバンナ選手の左腕を最初からボンヤスキー選手も狙っていたのか、バンナ選手は試合続行不可能となり、ボンヤスキー選手が準決勝へと駒を進めました。
*準決勝、決勝、そしてあの衝撃の瞬間については近日中にアップさせていただきます。