ミルコ選手の欠場に始まり、先日アクシデントによる山本KID選手の欠場の発表。所選手も出場が危ぶまれるなど、目玉カードが消滅していく中で、俄然ライト級GPに対する期待度と注目度のウェイトは高まってきたと思います。

ライト級GP準決勝の青木真也選手VS宇野薫選手の勝敗予想が割れている一方で、川尻達也選手VSエディ・アルバレス選手の試合は圧倒的にアルバレス選手の勝利を予想する声が多く上がっています。

理由としては、両選手の勝ち進み方、1回戦と2回戦の試合内容に依るところが大きいと思います。川尻選手は1回戦でマンバ選手と対戦しましたが、有利なポジションで試合を進めたものの、極めきれずすっきりとしない試合内容でした。2回戦も守りの堅いブスカペ選手を相手に、やや攻めあぐねた結果の判定勝ちでした。

一方でアルバレス選手は、1回戦でHERO'Sで活躍し宇野選手を下したこともあるシュートボクセ出身のジダ選手に鮮烈なKO勝ちで勝利しました。2回戦では、早くも今期のベストバウトと言われるような激しい試合をハンセン選手と繰り広げ、その激戦を見事勝利で乗り切りました。

ライト級GP1回戦、2回戦で両者が観る側に与えたインパクトや印象は、確かにアルバレス選手の方が強いものがありますが、個人的に両者の実力差は下馬評ほど大きくないのではないかと感じています。仮にアルバレス選手が、ブスカペ選手と試合をしてもKOや一本で試合を決めるのは難しいと思いますし、リーチが長く打撃が得意なマンバ選手など相性が悪いのではないでしょうか。

川尻選手が打撃での打ち合いに応じてしまった場合、パンチスピードや回転力に勝るアルバレス選手が有利かと思います。KO負けの危険性もあるでしょう。しかし、川尻選手がうまく上のポジションを取れれば、川尻選手の上からの押さえ込みは強いので、判定勝ちに持っていける可能性もあると思います。レスリングのスキルにも長けているアルバレス選手から上のポジションを取るのは難しいかもしれませんが、川尻選手は差し合いから上のポジションを取るのは巧いので、そこの部分に期待しています。

もちろんアルバレス選手は強いですし、アルバレス選手が有利な面もあります。しかし実力差は下馬評ほどはないと感じています。五分五分の勝負になるのではないでしょうか。

川尻選手本人も、アルバレス選手の勝利を予想する声が多いことを認識しているようなので、その下馬評を覆すような、PRIDE、そして修斗元王者としての意地を見せた試合を観せてくれることを期待します。