DREAM5@大阪城ホールの開催まであと数日と迫りました。一番の注目はライト級グランプリでしょう。それに伴い、雑誌・ブログ等の各メディアで勝敗予想を目にする機会が多くなりました。

意見が大きく分かれているのが、青木真也選手VS宇野薫選手。実力も申し分なく、勢いのある青木選手を押す声がもっと多いと思ったのですが、宇野選手の勝利を予想する声がそれを上回るほどです。

宇野選手に対するこの評価には3つ原因があると思います。
①2回戦で石田選手に一本勝ちしていること。
②宇野選手の経験・キャリア・ファイトスタイル
③青木選手との相性

まず、①に関してはこの勝利で宇野選手は再度評価を上げたのは間違いないと思います。僅差の判定等で勝利していても、今のような評価は得られなかったと思います。私も大晦日にメレンデス選手に勝利した石田選手があのような負け方をするとは予想していませんでした。

②に関しては①に付随するのですが、石田選手戦にあのような勝ち方をしたことにより、宇野選手の経験やキャリアからくる、巧い戦い方が出来る選手だという評価を再度得たのだと思います。

③に関しては、青木選手がレスリングや打撃ベースの相手には勝っているのですが、宇野選手のようなタイプの選手とは試合をしたことがないということから相性を疑問視したものでしょう。

青木選手は宇野選手が圧倒されたJZカルバン選手や、敗北を喫したハンセン選手に勝利を収めていますが、それにも関わらず予想が割れているのは、相性の他にもう一つ原因があると思います。それは昨年の大晦日でのブギョン戦です。青木選手は勝利はしたものの、すっきりとしない内容でした。その結果、青木選手の寝技ベースの選手との相性、タイプは違いますが宇野選手のようなタイプの選手との相性を疑問視されています。あの試合で、すっきりとKOか一本での勝利を収めていれば、青木選手はもっと評価を得ていると思います。

上記のように青木選手の宇野選手との相性を疑問視する声もありますが、個人的にはこの試合は青木選手が有利だと思っています。競技ではAがBに勝っているから、Bに負けているCよりもAは強いといったような方程式は通用しませんが、宇野選手との試合を含め他を寄せ付けない強さを誇っていたJZカルバン選手に、プレッシャーの中で勝利した青木選手の強さは本物だと思っています。

宇野選手は石田選手戦ではリーチを活かして打撃で主導権を握りました。しかし、リーチで勝り且つ距離を取るための打撃の出来る青木選手からスタンドで優位に立つことは難しいと思います。寝技になっても、宇野選手は一本を取られないかもしれませんが、寝技での攻防は青木選手が有利に運ぶと思います。宇野選手は寝技を避けて戦うかもしれません。しかし、青木選手の引き込みの強さは凄いので、試合を通じて逃げ切るのは難しいと思います。また、青木選手には中井祐樹氏が付いています。宇野選手の戦い方に対して何らかしらの対策は取ってくるでしょう。

何より、青木選手がDREAMの看板選手、日本を代表する軽量級の選手として世界の格闘技界に名を馳せるには宇野選手にきっちり勝って、どのようなタイプが相手でも強さを発揮することが出来るということを証明することが必要だと思います。世界の格闘技界で名が通り始めている今だからこそ、青木選手にとっても落とせない試合となるでしょう。

格闘技界のパイオニアと称される宇野選手に感情移入しているファンは多いと思います。しかし、PRIDEを信じ続け1年間我慢し、JZカルバンとの1回目の対戦では不本意な結果に終わりながらも、2回目の対戦できっちり結果を出した青木選手に感情移入しているファンも多いと思います。

両者の誇りを掛けた熱い試合を期待しています。