UFC86にて行われたライト級ヘビー級マッチ、クイントン“ランペイジ”ジャクソン選手VSフォレスト・グリフィン選手は3-0の判定でグリフィン選手がジャクソン選手を破り、新王者の座に就きました。

下馬評では、グリフィン選手が圧倒的不利で、海外サイトに投稿されていた予想もほとんどがジャクソン選手のKO勝ちを予想しているものでしたが、グリフィン選手が前回のショーグン戦に続き大金星を上げる結果となりました。

ジャクソン選手は右足首にテーピングをしており、試合中若干足を引きずっているようにも見えました。試合展開は終始スタンドでの攻防が多かったのですが、1Rでジャクソン選手がカウンターのアッパーを入れた以外は、グリフィン選手がうまくリーチを活かして戦っていました。2R早々には、グリフィン選手のジャクソン選手に対する左足へのローキックがかなり効いていたようでした。

グラウンドの展開においても、ジャクソン選手は簡単にマウントを奪われたり、上のポジションを取ってもうまくパウンドを当てられず、逆に三角締めを掛けられたり、若干グランドでの雑さを感じました。

また、グリフィン選手がヴァンダレイ・シウバ選手のアドバイス通り、組み付いたらすぐに頭を掴んでの膝蹴りを仕掛け、すぐに離れるということをきちんと実行していたのも、功を奏したのかもしれません。

今回の試合でジャクソン選手からは普段のパワーは感じられませんでした。右足にテーピングをしていたように、調子が悪かったのか、それともパワーを出させなかったグリフィン選手の強さなのでしょうか。

新王者になったグリフィン選手ですが、その実力には依然疑問の声が多く上がっています。リョート選手や階級を上げたアンデウソン選手にあっさり負けてしまうのではないかとの声が聞かれます。

確かにグリフィン選手の強さは観ている側には分かりにくく、ずるずると自分のペースにはめ込み、結果勝ってしまっているような選手です。今回のジャクソン選手との試合もそうでしたし、前回のショーグン戦もショーグン選手の失速が指摘されていましたが、じわじわと最後はグリフィン選手が勝ってしまいました。おそらくグリフィン選手の強さは、実際に試合をした選手にしか分からないのかも知れません。

グリフィン選手の次戦の対戦相手が、リョート選手になるのか、シウバ選手になるのか、それともリデル選手になるのかは定かではありませんが、本領が問われる一戦となりそうです。

このグリフィン選手VSジャクソン選手の試合以外に注目していた試合が一試合ありました。ヒカルド・アルメイダ選手VSパトリック・コート選手。寝技に絶対的な強さを持ち、パンクラスでは無敗の王者として君臨していたアルメイダ選手でしたが、2-1の判定で負けてしまいました。今年初めに4年ぶりに総合格闘技界に復帰したアルメイダ選手でしたが、やはり4年間のブランクは大きかったのでしょうか。一部で打倒アンデウソン選手の候補として名前が上げられていましたが、早くも苦杯を飲む結果となってしまいました。この4年間でMMA、総合格闘技の技術は飛躍的に進歩しています。しかし、アルメイダ選手の寝技の強さは本物なので、そのブランクを今後克服して適応できれば、依然第一線に復帰出来る選手だと思います。