休憩後からミドル級GPの対戦カードが始まりました。


【第五試合 ケガール・ムサシ選手 VS ユン・ドンシク選手】

試合展開は打撃の攻防から始まりました。ムサシ選手の鋭い右ローキックが何発かドンシク選手の足を捉えました。これが効いてしまったようです。それ以上スタンドの攻防は避けたいドンシク選手が寝技を仕掛けますが、逆にムサシ選手に潰されてしまい、ピンチが続きます。1R終了間際にドンシク選手が起死回生の逆転のチャンスを掴みます。腕ひしぎ逆十字が極まりかけますが、ムサシ選手が逃れ1Rが終了します。1Rの最後でドンシク選手は気力を使い果たしてしまったのか、2Rは一方的な展開でした。ムサシ選手にバックを取られ、2Rを通じてコツコツと側頭部にパンチを浴びさせられます。途中で止められていてもおかしくないような試合展開でした。そのまま2Rが終了し、3-0の判定にてムサシ選手が勝利しました。ムサシ選手はDREAM最年少選手ながら非常に落ち着いているのが印象的でした。また、攻め続けられながら起死回生の腕ひしぎで惜しい場面を作ったり、2Rを通じてパンチを浴びさせられながら心が折れずに最後まで戦い抜いたドンシク選手の精神力は見事だと思います。



【第六試合 セルグ“弁慶”ガレシック選手 VS 金 泰泳選手】

この試合の幕切れは、あっけなく訪れます。試合開始早々打撃の攻防が続きますが、ガレシック選手がグラウンドへ持ち込もうと、クリンチからのテイクダウンを狙います。テイクダウンを堪えようと、片手でリングに手を着いた金選手の右手が有り得ない方向に曲がってしまいます。気付いたレフリーが慌てて試合を終了。前回の対戦に引き続き、またもやアクシデントによる決着となってしまいました。両者は3度目の再戦を約束しました。この両者の3度目の対戦は特に見たくないという声もあがっています。しかし個人的には、ここまでの因縁が出来たため、熱い試合になることが想定されるので、3度目を観るのも悪くないと感じています。むしろ2度目よりも興味深く観れそうです。



【第七試合 ホナウド・ジャカレイ選手 VS ジェイソン“メイヘム”ミラー選手】

一部では事実上の決勝戦と言われていた両者の対戦です。両者共に入場にも凝っていたので、会場のボルテージは高まっていました。試合は寝技のスキルに勝るジャカレイ選手が主導権を握りますが、土壇場でミラー選手が何度もピンチを繰り抜け会場を盛り上げます。ミラー選手も隙を見つけては反撃に転じ、一進一退の攻防が続きます。2Rになると、ジャカレイ選手に若干疲れが見え始めました。スタンドでミラー選手が主導権を掴みかけましたが、スタンドでの攻防を嫌ったジャカレイ選手は再び寝技に持ち込みます。試合は判定までもつれ込み、寝技で有利なポジションを取り続けたジャカレイ選手に3-0にて軍配が上がりました。ジャカレイ選手は下馬評通りの寝技のスキルの高さを見せてくれましたが、スタンド面と、総合格闘技における試合の組み立てという面で不安が見られた試合でした。ミラー選手は寝技では若干及ばなかったものの、トータル面でのスキルの高さが見られたのと、客を楽しませようというマインドの高さが見られる選手なので、今後の試合が楽しみな選手です。



【第八試合 メルヴィン・マヌーフ選手 VS 桜庭 和志選手】

試合はファンが一番恐れていた結果となってしまいました。試合が開始してからしばらくは、相手の様子をお互いに伺っていましたが、距離を詰めたマヌーフ選手は右ハイキックを放ちます。桜庭選手はガードをしますが、その際バランスを崩してしまい、そのままパンチのラッシュを受けてしまいます。しばらくは何とか凌いでいる様子でしたが、足首を掴まれて引き寄せられてのパウンドがクリーンヒットします。これが致命傷となり、その後パウンドのラッシュを受けレフリーストップ。試合開始から1分半程度でKO負けを喫してしまいました。致命傷となった足首を掴まれて引き寄せられて放たれたパウンドですが、クリーンヒットを貰ってしまったのは、その前のパンチラッシュが既に効いていたのかもしれません。PRIDEで活躍していた頃の桜庭選手であれば、凌ぐことが出来たパンチのラッシュであったかもしれません。やはり、反応が落ちているのと、ダメージの蓄積で打たれ弱くなってしまっているのでしょう。桜庭選手も戦い続けて38歳。自分よりも体の大きい選手と戦い続けて来た時間も長いので、もうTOPの選手と試合をするのには体の限界が来ているのかもしれません。



ミドル級グランプリ準決勝には、


ケガール・ムサシ選手

セルグ“弁慶”ガレシック選手

ホナウド・ジャカレイ選手

メルヴィン・マヌーフ選手


が残る形となりました。



ミドル級グランプリ準決勝もライト級のように抽選で組み合わせが決まるのでしょうか。


ミドル級グランプリ準決勝に残った4名の中では、ガレシック選手が今までの試合内容も影響して、特に寝技の部分では底をまだ見せていません。


PRIDEの試合では滝本選手にアームロックで一本負けしていたり、HERO'Sの試合ではドンシク選手に簡単に寝技に持ち込まれあっさり一本負けをしているガレシック選手。ガレシック選手本人は、それから寝技のトレーニングを積み、寝技にも自信を覗かせる発言をしています。


ガレシック選手の寝技への対応力がどの程度のものなのかが、グランプリの鍵を握りそうです。