初めて抗がん剤(AC療法)をし、ちょうど2週間経った日に、
私の髪の毛はハラハラと抜け落ちました。
急に全ての毛が抜けるわけではありません。少しずつ、まさに「ハラハラと」。
シャワーを浴びると、それまで必死で私の毛根で耐えていてくれていた毛が、ジャーっという水圧、その刺激を受け、一気に抜けてお風呂場を流れ去っていきます。
覚悟はしていましたが、抜けた日はさすがに泣きました。
翌日、外出時は帽子をかぶってお出かけしていました。かぶらずに出かけるのは、なんとなく怖かった。
髪の毛が抜けて、自分の肩に、服に、たくさんついているんじゃないだろうか、と気になって気になって仕方なかった(実際は、帽子をかぶっていたためか、手ぐしのように自分で髪の毛を触らなければ抜けなかったのですが)。
徐々に抜けていく感じが耐えられなかった私は、
3日目の夜、夫にバリカンを渡して、坊主にして欲しいと頼みました。
実は、抗がん剤をやると決めたその日から
「髪の毛が抜け始めたら、バリカンで坊主にしよう!」とずっと考えていました。
おそらく、私がこの先出家でもしない限り、頭がツルンとなることは二度とない。
いつかすべての毛が抜けてしまうなら、せっかくなら?、男子の多くが経験した「バリカンで頭を丸める」体験を私もやってみたい、と。好奇心で動きました。
バリカン最中。途中モヒカンヘアーも堪能
変な感じでした。自分の目の前で、髪の毛がバッサバッサ落ちていく。なんだか少し興奮してアドレナリンが出ました。
ここ20年ほどはずっとロングヘアーだった私ですが
剥き出しになった私の頭を見るなり夫は「頭の形が良い!」と絶賛。笑
鏡を見て、自分でも驚き。ずっと絶壁だと思っていたので、まさかの発見でした。笑
新鮮な気分!
さて、実はこれからが大変でした。
坊主にしたとしても、髪の毛はその後も変わらず抜けていきます。
髪がミリ単位の短さになっているので、掃除が大変でした。
孫悟空の髪の毛をイメージしていただけたら分かりやすいと思います。笑
こんな風に私の分身が増えてくれたら楽しいのに・・・とかいらぬ妄想をしながら
すべての毛が抜け落ちるまでせっせと床の掃除をしていました。
意外と大変だったのが、枕カバーの掃除。
たとえ不織布のヘッドカバーをしていても、それを突き破り、朝起きると
ミリ単位の髪の毛がいっぱい枕カバーに。。
短すぎるためか、コロコロでもうまく取れないので、一つ一つピンセット(毛抜き)で取り覗く作業が発生・・・
治療期間中は仕事をお休みしていて時間もたくさんあったので掃除も熱心に?できましたが、なかなか大変でした。
好奇心から坊主にした結果、超絶短い毛をお掃除する大変さがついてきましたが
これも良い経験になりました(ポジティブに・・・)。