その日は、自分との戦いでもあった。午前4時半に起きなければならない。絶対に、起きる必要がある。これは、最重要事項の1つであった。
午前4時38分。じゅじゅ氏からのラインで起床。どうやら、本日の同志であったじゅたろう氏が、高熱でダウンしたらしい。つまり、今日の戦は、私1人で戦わなければならなくなったのだ。
始発に乗り、国会議事堂前駅を目指す。舞さんも今日はいないので、己にムチを打ち、寝ないように、何度も乗り換えを確認しながら戦場に向かう。
汝矣島駅での乗り換えで、すごい数の女どもが乗ってきた。彼女たちはみな、大きなカメラを持ち、折りたたみの脚立を手にしている。1ミリたりともオシャレなんかしていない。その時点できちんとメイクを完成させてきた私は絶対的有利なはず。
国会議事堂前駅に着いた瞬間、車内に緊張が走る。そう、もう勝負は始まっているのだ。この勝負は
“どれだけ自分にとってのベストポジションが確保できるか”
もうこの1つにかかっていると言っても過言ではないだろう。
ドアが開くと、一斉に女たちが走り出す。私も一応走ってみると、足が速すぎて重いカメラと脚立を持ってる女たちなど軽々抜かすことができるのであった。
会場が見えた。SBS放送局だ。
朝6時だというのに、すでにたくさんの人が集まっていた。私はなんとか、アイドルが絶対に通るであろう入り口付近に陣を構えることができた。もし通れば、触れることのできる距離である。あまりの近さに興奮し、この地点でわたしの脇は大洪水
しかし、油断は禁物である。何が起きるか分からない。そこで私は、ある作戦にでた
『すいません、日本人ですか?』
名付けて日本平和協力作戦だ。日本人同士で結託し、動画と写真を分担して撮り、共有する。これ以上力強いものがあるだろうか。カメラヌナたちに勝とうという安易な作戦であった。
AM6:35
黒い一台のバンが止まった。中から美少年が6人出てくる。名前がわからない。その中の1人が、じっと私のことを見ている。簡単に恋に落ちた
じゅじゅ氏に聞くと、どうやらASTROというらしい。ずっと私のことを見てたのは右。ムンビン(98ライン)。ちょ、おま、ヌナキラーかよ!妹より下じゃないだけまし…( ◜◡◝ )…
AM6:42
中堅人気のMONSTER Xの御登場だ。舞さんが好きなので、頑張って撮ろうとしたが、あまりのマスターさん達の勢いにやられる。ここはマスターさんがすごかった。
※マスター【名】右手にバズーカのようなカメラ、左手に脚立を持ち、マスクもしくはメガネをかけたアイドルのファン。太めでメイクをしない人が多い。彼女たちは自分で撮った写真を加工し、お手製のグッズを作って販売し、それを収入源として生きている。かなり稼げるらしい。
AM6:44
名前は分からないが、細くて綺麗な女の4人組が来たので、撮ってみる。すると近くのオバハンが
オバハン『あ〜あれ脚に注射打ってんで。反則やん』
そっと録画停止ボタンを押した。
AM6:45
美少年が何人かばらっと出てくる。みんな、揃いも揃って高身長、細身、小顔。
じゅたろう「おぷてはおえんで〜〜クラブばぁ行きょうるけんな〜〜」
AM6:50〜6:55
アイドルが3組ほど登場。名前はわからない
AM6:57
白いバンが2台止まる。あまりの男どもの同様に、TWICEまたはヨジャチングだと予想。出てきたのは
い、今をときめくとぅわいすたそ…( ◜◡◝ )…
顔面を集合させてみた。
まばゅぃ…………
とぅわいすたそは日本人3人と、ダヒョンの神対応の印象が強かった。とくにモモ。
AM6:59
TWICEが去った衝撃で賢者モードになっていたのもつかの間、男どもが一斉に動き出す。なにやら男どもに囲まれて動けないみたい。ゆっくり近づく
え、よちんやん!歩くの遅すぎ!って
ローラースケート履いてたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
某韓国メディアより
AM7:05
高級そうな白いバンが2台止まる。
もう言葉で説明できないので、動画で。
すごい。ただようSM感がすごい。
気取ってる以外の何ものでもないけど
顔面やばい以外に言葉が出てこない
AM7:15
ひときわ大きな黒いバンが正面に着く。一斉に野郎どもが群がる。
異常な光景
中から出てきたのはgugudan。正直セジョンとカンミナしか分からないのでずっとセジョナ〜〜セジョナ〜と呼んでると、朝7時だとは思えない笑顔が返ってくる。こりゃファン多いわけだ
AM7:40
遠くからでもわかる、すごいオーラを放ってる女性が来る。キム・ヒョナだ
他のグループは、軍団でこそのオーラがあったが、彼女は1人で異彩ともよべるそれ以上のオーラを放っていた。感嘆してしまった。
さて、だいたいのグループが出勤を終えた、と思った人たちが帰っていく中で、マスターさんたちは一切帰らない。考えてみるとあと1人来ていない。
SHINeeのテミンだ。
周りをよく見ると、今日のこの人の多さはテミンが原因だと分かる。
しかしこの時点で既に8時。今帰れば授業に間に合うのだ。しかしテミンはみれない。
授業とテミン………
テミンと授業………
テミン……授業……
私は、負ける戦はしない。
アスカはあっさりテミンを選択した( ◜◡◝ )
時は既に8時半。授業が間に合わないことは確定したので、もうこの際出待ちもしてみることに(ヤケクソ)
9時半まで待つと、モンエク、おまごる、ナミュなどが出てくるのが見れた。おまごるに関しては少し喋れた。
こういうのはキリが大切なんや、と思いやっとの思いで帰ろうと決断する。
っとここで韓国人の女性のマスターさんと喧嘩になる。原因は背の低い私が後ろから覗き込んで見ていて当たってしまい、強烈なヒジテツをくらったため、やり返すとまたやり返される……の繰り返しになってしまったのだ。
幸い、日本人の方が仲裁に入ってくれて、解決した。ありがとうございました(小声)
その後、ちゃんと授業出ました…………
もう一回言うよ
ちゃんと授業出たよオンマ…
この戦争、敵はアイドルじゃない。
敵は女のファンにあり。
今回でミューバン出勤入り待ちのウマイ味をしめたアスカは、来週も行こうと固く心に決めたのであった。
2016.08.05













