健康を取り戻せたか
心穏やかに過ごせているか
ありきたりの日常 ありきたりの幸せを学んだか
知る術はなく
今日まではどこ 明日からはどこに眠るのか
何が救うのか
誰に委ねようとしてるのか
知る手がかりもなく
この世の驚愕の全てを
わたしの小さなコップに注ぎ込んだ人は
ある日
おもちゃの地球儀を屋根裏から持ち出し くるくる回して見せた
誰か 誰か
地球儀の埃を払っておあげなさい
手についた汚れを拭い取っておあげなさい
笑いながら一緒にくるくる回しておあげなさい
生まれる前から重なっていた魂のかたわれが 深い闇に堕ちたなら
残るかたわれも 例えば腹を引き裂かれる思い
月足らずの赤子を引きずり出し 奪われる悪夢よりひどい
ええ、どんなに呆れ果てても
心のどこか
息づいていたのは やっぱりお前
ええ、脈打つたびに血を噴くばかりの失望が
不安な未来を予見させても
時を分け合った者たちは
みな息をひそめ ささやかな望みを温め続けてた
寒い冬の夜更にさまようお前を もちろん知っていたよ
暑苦しい夏の明け方にくしゃみしたお前を もちろん見つけていたよ
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