気がついたら、あいつを目で追っている。
相手は女じゃない。俺と同じ、男やのに。
*
同じクラス、同じ部活。
どこにいても一緒におるから、その内に自然と目で追うようになってしもた。
誰かと話しとると、その話の中に入り込みたくなり、
誰かが肩を叩くだけでも、さわるなと言いたくなる。
それを財前に言ってみたら、「謙也さん、部長のこと好きなん?」と言われた。
何故か、俺は「そう・・・かもしれん。」と、納得した。
そや、俺は白石のことが好きなんや。
そう思うと同時に、かぁっと頬が赤くなった。
「うわー、無自覚やったん?流石天然。アホ。スピード狂。」
「スピード狂ってなんやねん」
「ま、応援してますから、頑張ってください」とやる気なさそうに応援され、
「んー、まぁ頑張るわ」と適当に返事をしておいた。
せやかて、俺と白石は男同士。嫌がられるとちゃうん?
そういう思いがずっと頭から離れなかった。
翌日。
朝練があるため、朝早くに家を出た。
いつも白石が一番やったけど、今日は俺が一番やった。
あ、白石が来んと、鍵開かんのか。
大事なことを忘れていた。
今日はこの冬一番の寒さ。マフラーでもしてくればよかった。
そんなことを思っていたら、後ろからふわっと俺の首にマフラーが巻かれた。
「え、白石…?」
「珍しいなぁ、謙也がこないに早いなんて。」
「あ、あぁ。考え事してて、中々寝付けなかったんよ。」
半分正解、半分言い訳。
本当は一番に白石に会いたかったから。
「謙也が考え事するなんて、明日雪でも降るんちゃうか?」
「俺かて考え事ぐらいあるわ!」
「じゃあ何考えとったん?」
「え…」
答えにつまった。
「俺に言えんことなん?うわー、いやらしいわー。」
白石は俺の話を大して深く考えていないようで、鍵を開けながら答えた。
カチャッ
鍵の開く音がした。
白石がドアを開ける。
「…白石のこと考えてたんや」
「何?なんか言ぅた?」
「なんでもあらへん」
やっぱり、秘密にしておこう。
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<あとがきという名の反省文>
とりあえず、自分でも何が書きたかったのかわからないという^q^
謙也が蔵のことをどうしても目で追っかけちゃって、光に言われてその恋に気づく、
的なのを書きたかったはずなんだけどな。
そしてタイトルも思いつかなかったのでただの蔵←謙のssってことで。
やっぱり文才が欲しい!!!!