最終章 後編



しんたろーは東京で色々と片付けてから帰るというので、一旦僕一人で札幌に帰ることになりました。


新幹線とフェリーの金は母親が振り込んでくれました。



こうして3ヶ月という短い僕の上京物語は幕を下ろします。



思い返せば本当に悔いの残る事ばかりでした。


あの時ちゃんと働いていればとか、少しでも誰かに頼っていればとか。


でも今は全く後悔していません。


今の人生に満足しているので。



苫小牧まで友人3人が迎えに来てくれて、すぐ見つけてくれました。


『おかえり!』


とにかくホッとしました。


札幌に戻って口の中の固定器具を外して一発目、母親の手料理を食べた時は感動しましたねー。


体重も徐々に戻り、普通の生活を送れるようになりました。


札幌では気持ちを改めてちゃんと働きました。



2010年5月、札幌で解散ライブをやることになりました。


2days、初日は対バンで2日目はワンマン。


なんと初日は仕事の都合で出れませんでした。


札幌で同時期に活動していたベーシストがサポートで出てくれたみたいです。


なにやってんだよって感じですよね。



そして迎えたラストワンマン。


入り時間少し過ぎた頃、楽屋のドアを開ける。


一瞬静まり返った後すぐ、しんたろーが大号泣で抱きついてきました。


もらい泣きしてしまいました。



『刹はもう来ないんじゃないか?』とメンバーで話していたそうです。


そんな事をメンバーに思わせていたなんて申し訳なかったなぁ。


札幌に戻ってから邪鬼さんにもしんたろーにも会っていなかったので東京振りの久々の再会でした。


なので当然リハ無しでラストライブを迎えたのですがその辺に関しての心配は全くありませんでした。


今なら考えられませんが。。


一応来なかった時の為に前日サポートしてくれたベーシストも待機していてくれました。


来てしまってすみませんと謝りました。



ブラックPIGラストライブ、色々な思い出が頭を巡り涙を堪えきれないシーンもありました。


中でも【季節外れの花手紙】という曲がありまして、ブラックPIGを結成してから出来た初めての楽曲です。


最初期の3人の時に初披露しました。


初めて一からベースのアレンジを任され、それを邪鬼さんにめちゃくちゃ褒められたり、活動した3年間ずっと一緒に成長してきた曲という感じでかなり思い入れがありました。


この曲をやった時は本当にやばかったです。


MCで邪鬼さんが『解散したくない。』と泣きながら言っていた場面では心が抉れる感覚でした。


このバンドを壊したのは自分だと、罪悪感でいっぱいでした。


それでも最後まで邪鬼さんは一度も僕を責める事なく、ブラックPIGはこれで完結しました。






マージでブラックPIGは青春そのものでした。


22歳くらいかな。


ほんと色々ありましたわ。


死ぬほど叩かれてライブやりたくねーって時期もありました。


あの時は周りの人間全員敵に見えてましたね。


自業自得なんですが。


めちゃくちゃ叩かれまくってた時期のライブで、一回下手だけガラッガラのライブがあったんですよ。


ギゼルの時から応援してくれてた子と、自分のコスプレしてた子、この二人以外全員後ろにサーッと下がって見てたんです。


あれは本当にしんどかった。


こんなあからさまにやってくるんだ、みたいな。


ベースぶん投げて帰ってやろうかと思いました。



とはいえ、このバンドでは酸いも甘いも経験させてもらいました。


何より邪鬼さん、しんたろー、それから幸大に出会えて一緒に活動出来た事が本当に良かったです。



なんか綺麗に纏めてしまいましたがこれにてブラックPIG編終了です。



次からはブラックPIG解散からASK...結成までをなるべく簡潔に綴っていきます。


あざした。