『七瀬雪積もってる!!!
ねぇ、公園行こうよ!!!』
私は雪が降るといつも君に報告する。
『うん…』
マンガを読みながら返事をする君は少しつまらなそうだった。
『七瀬、話聞いてない…』
『聞いてるよ、だけど雪あんま好きちゃうねん』
小さく呟いたきみは今どんな顔をしてるだろう。
私は君のいる炬燵に入って七瀬の読んでるマンガを取り上げた。
『マンガより麻衣ちゃんと遊ぼうよ!!!雪だるま作ろうよ!!!今日は雪が降ってる特別な日なんだよ??』
君の肩を揺さぶる私はどんな顔をしてるだろう。
『はぁ、分かったから…雪だるま作りに行こ??』
君は少しだけ嫌そうな顔をしていた。
『やっぱ行かない』
…やってしまった
『どしたん、行かへんの??』
『だって今七瀬ちょっと嫌そうな顔したもん。七瀬が嫌がるなら行かない』
君の目に映る私はすごくめんどくさい顔をしてる。
自分でも子どもみたいだって分かってる。
けど、君が嫌がることはしたくないんだ。
『嫌じゃないよ??まいやんが嬉しそうやったらそれでいいから。ほら、行こう??』
『七瀬はそれでいいの??それで幸せなの??
私は七瀬が幸せだと思うことをしたいの!!!』
『確かにななの幸せってなんやろうな…
というか、幸せの形ってどんなんやろうな??
ななは、ほかの人が「たかがそれくらい」って言うような歓びもまいやんがおるなら、どんな形でもなんでも幸せやねん。
こうやって、特別でもない日にまいやんとゴロゴロしてるのも幸せ。
もしその幸せがいきなり「雪だるま作ろ」って言われて、なくなろうとする時はそりゃ嫌な顔もしちゃう。
けどな、なながまいやんと雪だるま作りに行こって言ったんはな、作りに行ったら嫌な気持ちの倍以上まいやんと一緒に笑えるって知ってるからやねんで。
だからほら、一緒に行こ??』
『うんっ!!!』
あぁ、今にある幸せは特別なものじゃなくて今生きてる自分たちで見つけるものかもな…
君の優しさも、楽しさも、愛しさも、泣き顔も、笑い声もすべて幸せだったんだ。
誰かにとっては「たかがそれくらい」だと感じる歓び。
そんな歓びでも私が、私たちが嬉しい、幸せだって思えた今日は美しい日なんだね。
特別だと感じてた雪の日も、これからは君のおかげで普遍的な形をした幸せになりそうです。