沈黙の意味

空白の意味

について考えたこともあった

でも、いらないのかもしれない

言葉なんてただの音だったんだ

背中を合わせていれば、言葉なんてなくたって伝わるんだそう思ってた





「来たよ、飛鳥
寒いね、今日は」


今日は珍しく東京で雪が降った
もちろん私は雪なんて慣れっこだけど、きっと飛鳥にとっては寒くて仕方ないだろう

ふふ…頭に雪乗せちゃって
とってあげるよ


「さすがに雪が降るくらいになると冷えるねぇ…」


今日の東京の気温は氷点下らしい
こんな日はこたつから一歩も動かずに一日を終えるんだろうな

それか、あえて寒いって言いながら窓を少し開けて電気も点けずに本でも読んでるのかな

本っていいよね、本がきっと言葉なんていらない気がする

なんとなくだけどね笑

でも、こんな寒い日はさ背中くっつけあってあったかい飲み物でも飲みながら小説読んでたいよね
最近の携帯小説っていうの?ネット小説っていうのかな?上手な人は上手だからね、ネット小説読んでるのも悪くない
でも、紙がすれる音も心地よかったりするんだよね
両方いいところがあるよね


そのうち飛鳥がぼそっとお腹空いたとか言っちゃんだよね
ぶっきらぼうに言ってるんだけどそれが可愛いんだよまったく

甘いのかな?私
しーちゃんにたまに注意されてたなぁ飛鳥にだけ甘すぎでしょって笑

仕方ない、可愛んだもん


「もう…一年か、早いね」

飛鳥さえいれば言葉なんていらなかった
小説読んで、背中をくっつけていれば、その空間に飛鳥がいれば言葉なんてただの空気の振動なんか不要だった


違う、不要だと思ってた


「なんか、ダメだなぁ…新しい彼女作る気になれないや」


早く忘れてとか言われたのに、早く忘れるって約束したのに

約束守れてないから成仏出来てないかな?
いや、むしろ出来ていないでほしい

早く私の元に化けて出てほしい

今度こそ愛してると、大好きだとあなたに伝えるために
言葉が欲しい
飛鳥に必ず届く言葉が欲しい

言葉が必要ないなんて嘘だ

言葉が欲しい

飛鳥に好きだと伝えるために
飛鳥の愛を音として受け取るために





「おやすみ飛鳥、また来るね」




「大好きだよ、奈々未
もう来なくてもいいからね」






白息がそっと雪に溶けていった