寒い、身体の芯から冷えるほど
誰か通らぬか、誰か求めぬか
地の底より蠢く亡者を
涙の一つで良いから弔って

暗く冷たい海の底
幾重も落ちてくる傀儡
操り糸が切れたように
面白おかしく降ってくる

縄張りの綱で括った
己に負けた落武者
獣に追われるように
無様な体裁で揺れる

深き眠りへ誘う芳香
常闇が潜む夢は末路
気付かぬ夢魔に喰われるように
全うする顔より醜い

痛めた身体は朽ち果てる
当てて壊した木偶
直せない紙のように
千切れたら戻らない

落ちていくばかり
止めるものもなく
自己の欲で死を選ぶ
実行する力だけはあるのね

単純な罠だけ嵌まり
抜け出す手立てを知らず
己を殺せば見渡せる
自己の憧憬に縛られた者共を

抗うか落ちるか
選ぶは自由だけど
最後に縛るは己自身

解けた道筋
消えた灯火
歪だらけの世界

深き遺恨に囚われる
名も無きものが巣くう城へ
今日も誰かが落ちていく

手繰り寄せられた闇に引き込まれ…

因果の責め苦が永久に続く