憎い、憎い、憎い…
これ程までの感情はあろうか
生まれて初めての激情
様々なことが込み上げてくる
全て灰と化した世界が広がった

あるのは怒りという焔
あるもの全てを燃やし
猛火で焦がし尽くす

あるのは哀愁という水
あるもの全てを流し
激流となって押し寄せる

あるのは殺気という鎌鼬
あるもの全てを切り裂き
渦巻く嵐となって荒ぶる

矛先の行方は誰も知れず
決めるは憎い相手だけ
如何なる所業となろうとも
知るべきことではない

微かに届く光
一途な光は悪魔でしかない
不要な明かりは消す

誰も見つけないで
元の世界に連れ戻さないで
心地好い闇だけが
憂いた隙間を埋める

戻れない
この場所を知ったから
出られない
埋もれた闇に葬られたから

暗躍し続けた果て
怨み辛みを多く背負い
有った歴史が霞んでいく

圧し殺した情は何も語らない
全てを受け入れ
全てを捨てたから

燻る修羅が誘う