※実際に体験したことを元に作りました。


ある夏の休日。
私は、三階建ての小学校の反対側にあるコンビニに買い物へ行かなければならなかった。
そのコンビニは学校の西門から出てすぐの場所にある。
私の家はコンビニの反対側にあるので、東門から西門へ抜けていくのが一番の近道。
迂回しても行けるが、時間が掛かってしまう。
この学校へ通う子にとっては、一般常識だった。

私は、いつも通り東門から西門へ向かって校内を歩く。
さすが休日、昼頃とあって大変静かだ。
平日の騒がしい声が嘘のようだ。
東門から一番近い校舎を通ってすぐだった。
至近距離でやや高めの位置から「キャハハハハ」という女の子の笑い声が聞こえた。
ちょうどそのタイミングで気付いたのが、前からお婆さんが歩いてきていたが、その人と無口ですれ違った。
一応声が聞こえた方へ振り返る。
後ろにはお婆さん以外誰もいない。
近くに民家はあっても、東門から歩いてきた時から静かだ。
そして、学校の教室を見つめる。
人影は見当たらない。
不思議だなと思いながらも、西門近くにあるコンビニへ向かった。

帰り道も同じ。
今度は、西門から東門へ向かって歩く。
誰もすれ違うことはなかった。
同様に教室を見る。
自分が今見える一階から三階全てを見たが、やはり誰もいないし、誰かいる気配もない。
今回は何もなかった。


家に帰ってから気付く。
私「あ、そういえば、私、あのすれ違ったお婆さん以外に誰も学校で会ってない…」