暗やみ、潜む影、飛び交う森の中

見つめる紅き瞳
獲物が油断する一瞬を
薄暗い隙間から覗く

音なく、気配なく
静かに歩み近寄る
恐がらず逃げなくていい
すぐに終わるから

漆黒の身体を木々に溶かし
旋風が吹き荒れる森は
死の匂いを漂わせる

しなやかな身体は森を舞い
来るもの全てを魅了する

奥深くから木霊する鳴き声
嵐を侵入者を知らせるように
森がざわめきを起こす

毛が逆立ち牙を向ける
隠された武器は暗器で
鋭い棘は点を刺す

奪われる自由と誇り
素早い動きで翻弄し
紅き瞳でものを殺す

静まる木々は枝を揺らす
歓迎と嘆きを含んで
守護者の帰りを待つ

朝霞の世界は静寂
森の覇者は無言で佇む

次なるものを出迎えるように
紅き瞳が輝く