君がいた夏は遠い
手を伸ばしても
思い出を辿っても
たどり着くことはない

思い出の地を巡る
何か切っ掛けが掴めれば
安直な考えをしたばかりに
帰る術を失う

さ迷い歩く内に出会ってしまう
禁忌と謳われた魔の森に
歩み出した足は止まらず
森を目指してひたすらに

誘われ手繰り寄せられ
見えない糸が絡み付く
芳しく甘い香りに導かれ
意識が遠退いていく

駄目だと思ってしまう
諦めて終わってしまう
心の中で微笑む姿を思い出し
彼岸より舞い戻る

忘れそうな程脆いのか
気持ちは弱いかもしれないが
一度足りとも心は挫けたりしない

泥だらけ傷だらけの姿
この姿を見たら笑うだろうか
同情でもするのだろうか
情けない迷いが生まれる

霞む瞳の先に君を見た
込み上げてくる感情を抑えきれず
既に走り出していた

嬉し涙で溢れ
優しく抱き締めてくれる温もり
包んでくれる愛しい腕
全てが恋しかった

離れないと誓った
供に歩み続けると約束した
この恋は終わらない

如何なる壁が立ち塞がろうが
二人の力で乗り越える

離れ離れの地から再会出来たから