溢れんばかりの負
今にも壊れそうな封
軋みの音が響く

古の時代より溜まる
止めどなく流れ着く負
穢れを祓っても追い付かず
ただ溜まり続けるだけ

憎しみ怨み苦しみ怒り
負の連鎖が続く限り
地の底へ流れる

気付くものはいない
忍び寄る誘いがあることも
受け入れる襷があることも
内なる己は知らない

速まる鼓動
滾る血
唸る腕
震える足
身体全てが咆哮をあげる

手繰り寄せられた心
鷲掴みされた意思
繰り返し弄ぶ手足
傀儡の木偶は刻まれるだけ

可愛い鳴き声はいらない
開けられた負は魂をも覆い
狂喜に満ちた鳴き声が木霊する

地に落ちた意識は紙くず
脆く粉々に散って舞う
底の世界へ降る

汚濁の感情で誘われた意識
暗い底に沈んでいく