夜祭りの時間が始まる
生け贄をお出し
捧げる血肉は神のものだから
渇いた声はいらない

始まる宴
燃え盛る火は勢いを増す
美しいまでの儀式は
貪り喰らう神の姿

悲鳴が舞う
赤々とちりばむ彩り
壁画を汚し、燭台を荒らし
傲れた貴族が平伏す

誰でも構わぬ
宴と称して暴れるがいい

淫らに舞う
削がれた手足が宙を飛ぶ
死に行く目を見定めるは
弱者強者の格の差よ

嗚呼、今この現こそ、求める獲物で溢れてる

抗う爪
破れ被れの衣服が血に染まる
白き肌を染め上げて
刻まれ続ける無償な牙

逃げ惑う羊
斬られて千切れて裂かれて
膓剥き出す狩り場は
食材の穴場と調理場

踊り狂うがいい
目覚めし闇を受け入れろ

一陣の風が吹く
全てを切り裂いて血飛沫舞う
手にするものは全て武器
歪んだ笑みで立ち尽くす

嗚呼、闇に堕ちるとは、心のままに動くこと

逃げ出せない
その世界を覗いたものは皆
奈落の底へ堕ちていく

絡み付く茨は足掻く度に犇めく