永久の花嫁
それは、ヴァンパイアの花嫁になるということ。
見も心も血も全てを捧げて、主たるものに従うこと。
花嫁が死ぬときは主が死ぬときか、心臓に杭を打たれるか、首を斬られるか

聞くだけならば、甘く幸せな世界と言えるだろう。
実際には戒律が存在し、不自由な世界。
それでも良ければ、そのものは幸せだろう。

恋い焦がれる人がいた。
闇の眷属で冷たい雰囲気を纏っていても
その人は優しかった。

普通の人として、人間として生きたい。
叶えられない願いと知っていても
願わずにいられない。
代わりに人間として接しよう。
それで、少しでも叶うなら。

闇の眷属同士の戦いは熾烈。
怪我しないように、傷つかないように。
貴方の心は繊細で優しいから。

この想いが続く限り
貴方の傍で祈ります。

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《ケイシー》
ラターシャに恋した少女。
ラターシャが闇の眷属と知りながらも、花嫁になりたいと望むが拒絶された。
人間として接していたいという願いを受け入れ、一人の人間として接し続けた。
流行り病で亡くなる。

《アネット》
ケイシーの妹。
ラターシャが姉を殺したと思い込み、ラターシャに仇討ちを挑む。
後に真実を知り、和解。
ある事件でラターシャの花嫁として生まれ変わる。